「Nexus 5 EM01L」レビュー

2013.11.22 端末レビュー ライター:__agar

イー・アクセス様より、EMOBILE版のNexus 5(EM01L)をお借りしています。
本記事は、機種・回線の両方を試用させていただいたレビューです。

開封・外観


箱のデザインはNexus7(2012)以降のNexusシリーズに共通する、端末の一部だけが写っているデザインのものです。


青い箱をスライドさせると白地にGoogleロゴが入ったシンプルな箱が出てきます。


この内箱を開けるとまずは本体とご対面。
今回は開封済のモニター機なので貼られていませんが、製品版の場合はnexus 5のロゴが入ったフィルムが画面に貼られているようです。


本体の下にはACアダプタ,micro USBケーブル,SIMピン,説明書などが入っています。

本体の外観を見てみましょう。お借りしているのはブラックモデルです。

前面は5インチフルHDのディスプレイ,インカメラ,受話スピーカーがあるのみで非常にシンプルです。


背面はマットな質感。横向きに大きく入ったnexusロゴがアクセント。


カメラは少し飛び出しているので、ケースなどを着けない場合は気になるかもしれませんね。


ブラックモデルは背面/側面ともにマットな質感ですが、nexusロゴとLGロゴの部分だけ光沢になっています。

ちなみに、ここに型番が薄く印刷されている通り、EMOBILE版のEM01LはLG-D821と同等です。


下部にはスピーカー,マイクとmicro USB端子。
一見するとmicro USB端子を挟んだ2ヶ所にステレオスピーカーが配置されているように見えますが、実際には片方がスピーカー、もう片方がマイクになっています。


右側面には電源キーとSIMスロットがあります。
SIMのサイズはmicro SIMとなっています。EMOBILE版であってもGoogle Play直販のものと同様SIMロックはかかっていません。
SIMスロットを開けるピンはかなり細いので、他機種との共用は難しいかと思います。


反対側の側面には音量キー、上面にはイヤホンジャックとサブマイクがあります。

ソフトウェア

EMOBILE版とはいえこのNexus 5ではキャリアの手は加えられていません。Pure AndroidなNexusブランドの端末ですから当然といえば当然なのですが、今回EMOBILEから発売されているNexus 5は”いい意味で”とことん余計な手が加えられていません。

それを実感できる例として、同じく日本の通信キャリア経由で発売されたNexusブランドの端末を考えてみるとdocomoからSC-04Dとして発売されたGalaxy Nexusがあります。
もちろんそちらの際も基本的には手は加えられていなかったのですが、いくつかの点で手が加えられていました。1つは端末本体にdocomoにおいての型番を印字していたこと、そしてもう1つ、致命的だったのがアップデートがdocomo経由だったためNexusなのにOSアップデートが遅れていたことです。

もちろん各キャリアさんの都合があるでしょうから単純な比較はできませんが、EMOBILE版のNexus5は外装や箱を含めてキャリアロゴや型番はどこにもなく、キャリア独自のプリインストールももちろんなく、更には今後のアップデートはキャリア経由ではなく他の販路のNexus5と同様にGoogleから直接の提供となっています。
キャリア経由で提供されることによる不安要素や懸念を完璧に取り除いてくれているあたりNexusシリーズをよく理解した上で販売しているのだなと感じ、実に素晴らしい対応だと思います。

そんなわけで、EM01Lでは完璧なPure Androidと言えるソフトウェアを体感することができます。

では早速Nexus5の各画面を見て行きましょう。

一番最初に目にするのはやはりロック画面でしょうか。


鍵のアイコンを上下左右どこかに引っ張るとロック解除、下端からスワイプするとGoogle Nowが起動、右端からスワイプするとカメラが起動、というような操作が割り当てられています。

見た目はシンプルですが、ユーザー層によっては理解されにくい操作ではないかなとも感じました。
というのも、例えば下端の列を見ると、△のマークは上に引っ張ってGoogle Now起動、カメラのマークは左に引っ張って起動、というアイコンからは読み取れないアクションの違いがあるわけです。
KitKatに限らず最近流行のフラットデザイン全般に言える課題なのですが、初心者層には難しいかなと思います。

続いてホーム画面です。初回起動時は簡単なチュートリアル画面が出ます。


以前から似たような表示がありましたが少し説明が詳しくなっていますね。デザインも親しみやすくなった感じがします。

こちらが初期状態のホーム画面。


ドロワーを開くアイコンやフォルダの背景が半透明になっていたり、ドック部分との境界線がなくなっていること、ステータスバーとナビゲーションバーが透過していることなどを除けばAndroid 4.0以降の標準ホームとそう変わらないのですが、見た目の印象としては結構変わりましたね。


ドロワーはシンプルになり全面にアイコンが並ぶようになったためアイコンのサイズがかなり大きめになっています。Nexus5のような5インチの端末ならもう少し列を増やしても良かったのではないかとも思います。

ところでこのホームアプリ、厳密にはAndroid 4.4標準のものではないそうです。外観はAndroid 4.4標準のものもほぼ変わりないのですがいくつかの機能が追加されたNexus5専用のものになっています。
具体的にはホーム画面で(日本語では使えませんが)”OK,Google”と言うだけで音声検索を起動できたり、Google Nowが統合されているといった点です。

細かい違いではありますが、GoogleがNexusブランドの端末を開発者やアーリーアダプター向けのPure Android端末としてだけではなく、一般のAndroid利用者向けにも売り込んで行きたいという方針になってきていることの表れのようにも思えます。

同じような面が見られるところとしては、従来のNexusシリーズ同様プリインストールのアプリは最小限なのですが、Playストア関連のアプリがいくつか増えているところからも伺えます。
以前からあったPlayミュージック、Playムービー、Playブックスに加え、Playゲーム、Playマガジンが追加されています。Googleとしては大量に普及したAndroid端末向けに各種のコンテンツを売り込んで行きたい意図が見えます。

同様にGoogleが自社のサービスを積極的に使わせて行きたいことを垣間見る点がもう1つあります。今年5月にGoogle Talkから移行する形で登場した「ハングアウト」です。


このハングアウトのアプリは以前から入っているのですが、Nexus5ではハングアウトのアプリにSMSを統合しています。
ハングアウトを普及させたいという意図はわかるのですが、今までできたことを出来なくしてまでというのは少々強引なアプローチだと感じます。これでユーザーはハングアウトを使ってみようとなるのか疑問ですね。

さて、バージョンが変わるごとに楽しみにもなっているAndroidバージョン連打で出てくるイースターエッグは健在です。
Android 4.1〜4.3とずいぶん長くJelly Beanの時代が続いたので、久しぶりに新しいものが見られて新鮮ですね。


Android 4.4のコードネームはKitKat。1段階目のイースターエッグでは、KitKatのロゴをモチーフにしたAndroidロゴが登場します。
2段階では、歴代のAndroidバージョンのコードネームのお菓子が並びます。

なんとAndroid 4.4 KitKatの開発段階でのコードネームであった”Key Lime Pie”まで入っています!上のスクリーンショットでも下から2段目に写っていますね。

ちなみにこのイースターエッグにはAndroid 4.4で対応した新機能「アプリの全画面表示」が使われています。ステータスバーやナビゲーションバーが自動で隠されてアプリを従来より広く表示できるようになっています。終了したい際は上から下にスワイプするとナビゲーションバーが表示される仕組みです。

余談ですが、Nexus5にGoogleアカウントを登録するとGmailにこんなメールが届きます。

“ついに新しい Google Nexus 5があなたのものになりました”
今回は私のものになったわけではないので反応に困りますが(笑)、実際に購入していたら嬉しいサプライズですね!


プリインストールのアプリはかなり絞られていますが、Googleの提供する各種サービスのアプリは網羅されています。

メールはGmail,クラウドストレージはGoogleドライブ,忘れそうなものはKeepにメモ、Google+やハングアウトで友人と語り合い、Playムービーで映画を見たり、時にはPlayブックスで読書をしたり…そんなGoogleアカウント1つですべてをこなすようなスマートデバイスの使い方をGoogleとしては提案しているのでしょう。
考えてみればGoogleアカウント1つでこれだけのジャンルのサービスを利用できるというのはすごいことですし、楽ではありますよね。もっとも1社にすべてを任せてしまうのは怖いので個人的には様々な会社のサービスをジャンルによって使い分けていますが…

そこまでどっぷりGoogleの提供する世界に浸ろうわけではなくてもNexus5を購入したらぜひ1度、「プリインストールのアプリなんて使わないし邪魔なだけ」と見向きもしないのではなく、どれか触ってみても良いかもしれません。

なぜおすすめするかというと、当たり前のことではあるのですが「Androidの新機能をいち早く取り入れていくのはGoogle自身のアプリだから」です。現時点でのAndroid 4.4の新機能という意味でもそうですし、今後より新しいOSで新しい機能が追加されたときでもおそらくそれは変わりません。せっかく最新のOSを常に使えるNexus5を持つのなら、それらの新機能を最初に楽しめるGoogleのサービスを使っておいて損はないのではないでしょうか。

ネットワーク


EMOBILE版Nexus 5は「EMOBILE 4G-S」というサービスでの契約になっています。
このプランは少々特殊で、EMOBILEとの契約ですが使用するのはSoftBankのネットワークです。

既に「EMOBILE 4G-S」対応機種として発売されている「ARROWS S EM01F」の場合はそれだけでしたが、Nexus 5の場合はさらに、4G-SでありながらEMOBILEのネットワークも一部使えるというさらに変わったものです。
具体的に言えば、1枚のSIMでSoftBank 3G,SoftBank LTE(Band 1),EMOBILE LTE(Band 3)が使える仕様なのです。

こういった複雑な内容になっているのは両社の特殊な関係などもあるのですが、とりあえず利用者の視点からすればEMOBILE版Nexus5は「通話はSoftBank、データ通信はSoftBankとEMOBILE両方が使える」という捉え方ができるのである意味お得かもしれません。
ただし、SoftBank/EMOBILE両方のLTE網を使えるといってもユーザーの判断で切り替えられるわけではありません。

左がSoftBank LTE、右がEMOBILE LTEのスピードテスト結果です。


テスト環境は「エリアの整備はそれなりに進んでいるものの混んではいない郊外」といったところでかなり良い条件での結果ではありますがどちらもなかなかの好成績ですね。

まとめ


最新のAndroidの世界を体感できるNexusシリーズならではの良さももちろんですし、飽きの来ないシンプルなデザイン、軽くて持ちやすい筐体設計など常用するスマートフォンとして見ても優れた端末に仕上がっていると思います。。

また、今回お借りしたのはEMOBILE版ですが、Google Play版と比べても遜色ない価格設定、仕様も完全に同一、さらに保証が付けられるというキャリア販売ならではのメリットは受けられるという隙のない販売スタイルが取られています。実際に購入する場合、EMOBILE版を選ぶのもかなりアリだと感じました。