その「格安スマホ」、本当に”安い”ですか?(SIM編)

2014.08.12 雑記 ライター:__agar

最近よく目にするようになった「格安スマホ」というフレーズ。多くの場合「1980円/月」なんて目を引く価格が出ていたりして、主要キャリアのスマートフォンを契約・利用している方なら一瞬「おっ」と思うのも無理はありません。
でも、どうして安いのか、考えたことってありますか?

安さの理由には大きく2つの系統がある

最近流行りのMVNOは、ざっくりと説明すると普通の携帯会社(MNO)のネットワークを間借りして使わせてもらっています。その分設備投資が少なく済み、大手はやらないような料金プランを出してくるところも少なくありません。

そういった意味合いの言葉なので「MVNO」というジャンル自体に本来「格安」というような意味が含まれているわけではありませんが、現在日本で展開されているMVNOの多くは「安さ」を売りにしているのもまた事実(SoftBankのMVNOという形になっているDisney Mobileのような変わった例もありますが)。

では、その安さはどこから来るのか。結論から言えば、大手が展開しにくいような割り切ったプラン、そういう小さなニーズをキャッチすることにターゲットを定めているからです。そのターゲットとして多くのMVNO各社は「とにかく安い回線が欲しい」というところに照準を定めているわけです。

安くすると言ったって大手とまったく同じ内容のサービスを提供してはさほど安くしようがないでしょう。ネットワークを間借りするのにだってもちろんお金がかかっています。
つまり安くするには何かを削る必要があるのですが、分かりやすくするために、大抵のMVNOが提供している、通話やSMSなどのオプションなし、データ通信のみのプランを例に考えてみましょう。

大手キャリアの代表としてdocomoの「Xiデータプランライトにねん」(旧プラン)、安さの理由①の例としてIIJ mioの「高速モバイル/D ミニマムスタートプラン」、安さの理由②の例としてDTIの「ServersMan SIM LTE」を比較してみます。

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確かに値段だけを見ればIIJ mioもDTIも通常のdocomo契約と比べるとはるかに安い。それは確かです。
ですが、上の表を見ると「安さの理由」はまったく方向性が違うことが分かります。では、説明して行きましょう。

安さの理由①:制限容量が小さい

最近はdocomo・au・SoftBankともに新プランが発表されて1GBや2GBと言った比較的小さい容量のプランを組むこともできるようになってきたので一概には言えませんが、MVNOが安さを生み出すためによく使う方法のひとつがこちら。

つい最近プラン変更や契約をした方を除けば、今はまだ多くの方が旧プランでの契約かと思われますのでそちらを念頭に置いて話させていただきますと、「一定の通信量までは速い通信ができて、それを超えると制限がかかって遅くなりますよ」というのがLTE時代のスマートフォンの料金プランです。

その”一定の通信量”というのが大事なところで、各社ともに探り合ったかのようにはじめは「7GB」という容量が設定されました。docomoの3GBプランの登場やEMOBILEの5GB設定、そして今年になって各社発表した新プランではより柔軟に選べるようになったのですが、この「7GB」というのはある意味ではなかなか絶妙なボーダーラインでした。

たとえばスマートフォンで毎日動画をたくさん見るような人はあっさり速度制限にかかってしまいます。一方でそういうことはあまりしない、文字中心の使い方をしている方だと到底届かない容量です。

それは「負荷をかけているヘビーユーザーをふるい分ける」という意味では絶妙なのですが、逆に後者のあまり使わない人にとっては7GB分という必要以上の通信料を払わされていることでもあったのです。

そういった意味で、1GBという大手よりはるかに厳しめの制限値でありつつ、その代わりそれに見合った低価格を実現したこのタイプのMVNOは歓迎されたようです。実際、多くのMVNOが1GB/月のプランでしのぎを削っていていわば”激戦区”。そのおかげでいっそう価格競争が進んで安くなり、今では上の図で一例に上げたIIJ mioを始めとして、「1GBで約1000円」という選択肢がたくさんあります。

安さの理由②:最高速度が遅い

上の表の一番下、DTIなどがこのタイプ。①のタイプ以上に使う人を選ぶので、自分の利用スタイルがよく分かっていない場合にはおすすめしにくいです。
一方で、とにかくコストを抑えて通信手段を確保したいという場合にはニーズにピッタリハマればお得でしょう。
メールやSNS専用、というような比較的通信量の少ない使い方ならばさほどストレスを感じることなく利用できます。

数年前に流行った「メールし放題で基本使用料だけ」というような携帯プランの現代版とでも言いましょうか。メールだけでなくtwitterやLINEといったSNSでの連絡手段も不可欠になりつつある現代における「最低限」を最安で確保できるタイプです。

まとめ

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格安にモバイル通信環境を得られるMVNOですが、ここまで見てきたように安さというものには必ず理由があるのです。
“普通の”スマートフォンと同じように使えると無意識に思い込んだまま「この値段ならお得〜♪」と飛び付くのは後悔につながりかねません。

MVNOを選ぶなら「自分がどのようにスマートフォンを使っているか、使うか」ということを正確に把握していないと良い選択肢にはならないと筆者は考えます。安さというものには必ず理由があります。ここまでお読みくださったみなさんが、しっかり見極めて楽しいモバイルライフを送ることを願って締めとしたいと思います。