Androidガラケー「AQUOS K SHF31」を試す、そして存在意義とは?

2015.01.26 雑記 ライター:__agar

話題の「ガラホ」ことAndroidガラケー、「AQUOS K」(SHF31)。
ガラホという表現、「ガラパゴス」と「フォン」じゃガラケーと意味変わってないやんか!という気がしてなんともイマイチなセンスな気がするのですが…それはさておき。


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注目のこの機種をau SHINJUKUで触れてきたのでその感想と、その前にこの機種の意義について確認したいと思います。

“ガラホ”に関する筆者の見解

この機種、フィーチャーフォンでありながらAndroidを搭載したことで些か見当違いな批判、それも本来なら正しく理解しているはずのマニア層によるものにさらされていることも見受けられます。メーカーやキャリアの肩を持つ気はさらさらないのですが、背景が分かっていたら「そうじゃないんだよ」と突っ込みたくなってしまう場面があまりに多いのでFAQ形式で斬ってみましょう。


Q.ガラケーなんだったらAndroid積む必要ないじゃん!そんな余計な贅沢しないで普通の出してよ!
A.実情としてはむしろ、各社の主戦場がスマートフォンに移り行く中で今まで通りの独自OSのガラケーを作り続けることのほうが贅沢です。ましてやVoLTEの登場で完全LTE化を見据えてフィーチャーフォンも対応が強いられていくであろう今後、スマートフォンとのリソースの共通化は効果がより大きくなるでしょう。
更に言えば汎用性の高いAndroid OSをベースに作ることでメーカー・ユーザー共にメリットがあります。

メーカー:開発コストを抑えられる
ユーザー:従来のガラケーと同じ操作形態のまま、Androidアプリを動作出来るようになったことで現状の社会に合わせた必要な機能(例:LINE)をスマートフォン並のレベルで使うことができるようになる

ただメーカーの節約というわけではなく私たちにもメリットがあるとなれば悪い話ではないのではないでしょうか?


Q.でもお高いんでしょう?
A.ここでいう「高い」には本体価格と通信料の両方が関わってくるでしょう。
本体価格のほうに関しては発表されてみないことには分かりませんが、少なくとも言えるのは、現状多くの人が利用している「24回分割-通信量からの割引」という体系においてはスマートフォンでもフィーチャーフォンでも差引後の実質支払い額にはそう大きな差があるわけではないです(一部の高額な機種を除けば)。
Snapdragon 400という比較的安価な機種に使用するSoCを使用していますし、スペックを見る限りは一括価格もそう高くはないはずです。

通信料に関して言えば「スマートフォンだから」「Androidだから」高いのではなくて、収益体系を見直すために電話かけ放題の新たな基本料金へとスイッチしていかざるを得なくなったキャリア側の問題です。これはもう時代の流れですのでいつかはそうなってしまうもの。
AQUOS Kの場合の通信料金としては最安5500円/月(55歳以上の場合は別プランがあるので4280円/月)ですので、現状の料金体系の中においては決して高くないです。
「中身がスマートフォンと同じになったから毎月スマートフォンと同じくらいの料金がかかるんだ」と強要するわけではなく、料金面での従来型ケータイとの差を可能な限り少なくしようという姿勢であるのです。


Q.わざわざAndroidを入れたんだからPlayストアとか使えてもいいのに
A.これに関しては根本的に違います。先に述べたように「わざわざAndroidを入れた」のではなく、「わざわざフィーチャーフォンのために手間のかかる独自OSを作りこむことをやめた」のです。
Androidを元に作るからといってAndroidでなしうるすべての機能を使えなくてはいけない道理はありません。そういった機能を含めてフルに使いたい方のための機種ではないです。そんなことを言い出したら「ガラケー」の代表格であるiモードケータイはSymbianという立派なスマートフォンOSをプラットフォームに作られていました。彼らにも同じことを言いましたか?

一般の利用者にとって大切なのは何を使って作ったかではなく何が出来るのかでしょう。こういったところを考えると、本当は「AQUOS KはAndroidで作った新しいガラケーだよ」なんて売り方をしたこと自体が誤解の原因なのかもしれませんね。

簡潔に言えばAQUOS Kは「これからもフィーチャーフォンを使いたい人たちのために、新しい世代の技術で作り直したもの」なのです。
一見突飛にも思えるAndroidガラケーは、これまでと同じ方向性の携帯を未来でも作り続けて行くために裏方の部分の技術を見直し、現代においてコストの抑えられる普遍的なものに置き換えた結果としてスマートフォンと同じAndroidシステムを使うことになった、ただそれだけの実に現実的な視点で生まれた製品だと感じます。Androidだから良い悪いという話ではなくて、単純に「LTE対応の新しいガラケーが出るんだって!」それで良いのではないでしょうか。


さて、最後に実機を見てきた感想・印象です。
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閉じた状態です。サブディスプレイまであり、まさにいつものケータイ!

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裏面はサラサラした手触りで持ち心地が良さそうです。

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待受で決定キーを押すとメニューが開きます。従来のガラケーと同じような画面ですがいくつかの見慣れないものがありますね。このあたりはAndroidベースになったからこそ取り入れた部分でしょう。

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フィーチャーフォンとタブレットの二台持ちというスタイルはよく耳にしますし、LTEテザリング可能なガラケーに潜在需要はありそうな予感。
ただ、auなのでLTEテザリング中に電話がかかってきたら仕様上切れてしまうのですよね…ここはVoLTE対応の後継機に期待したいところです。

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文字入力は完全に従来のケータイですね。違和感なく使えそうです。

動作は快適で、ディスプレイも960×540とフィーチャーフォンとしてはかなり高い解像度で非常に綺麗。思う以上にこれまでのケータイとの差を減らした上で付加価値を出せている印象で好感触でした。
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ひとつ気になったのがAQUOS Kでは従来のガラケーと同様に待受で数字キーを打つと電話番号のダイヤルになるのですが、1文字目を打ったあと間を置かずに(ダイヤル画面が開くのを待たずに)素早く打ち始めてしまうと桁漏れが出てしまっていました。数回試しても同様だったので少なくとも現状の展示機の時点では電話アプリが開くまでは2文字目の入力を認識できない様子。ここは是非発売までに改善を望みたいところです。

初物ですが想像以上に高クオリティーで、これからのフィーチャーフォンのあり方を体現した一台です。
ガラケー派もマニアもぜひ一度触ってみることをおすすめします。