Snapdragon 810はメーカー次第で別物に化ける?制御を見比べてみる

2015.06.30 雑記 ライター:__agar

「熱い!」とか「前モデルよりベンチマークが低い!」とか「電池が持たない!」とか何やら散々ネガティブな意見の飛び交う2015年夏モデル。今シーズンの多くの端末に搭載されているSoC、Snapdragon 810がその原因とする声が多いのですが、気付いたらそのSnapdragon 810(以下、S810)搭載機を2種類買っていた私的にはどうも納得行くような行かないようなところがありまして。

Snapdragon 810は機種によって感じ方がかなり違う?

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私が購入したのは「AQUOS ZETA SH-03G(docomo)」「HTC J butterfly HTV31(au)」の2機種。どちらも使っている分には動作の不満は別段ないです。HTV31は使っていると熱くなる感じはありますがSH-03Gは前シーズンの機種と比べて特段発熱するわけではない印象。

両者は画面の解像度が違う(HTV31はWQHD、SH-03GはFHD)のでその負荷の影響なのかな?と初めは思っていたのですがそれだけにしてはあまりに違うような気が。原因を探るため動作状況を見てみようと「CPU-Z」でコア数やクロックの変動を確認してみます。

ケース1:AQUOS ZETA SH-03G(docomo)

・低負荷時
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8コア中2コア程度で待機。かなりこの2コアの状態で粘ります。
画像ではCPU0,2の2コアですが0~3の中から2つといった感じでこまめに組み合わせを変えながら動かしているように見えました。発熱の分散を図っているんですかね?

・高負荷時
バックグラウンドでAntutuベンチマークを回して負荷をかけてみます(あくまで負荷をかけるツールとして使用、最近の複雑な構造のSoCだとあまり性能指標にならない印象なのでスコア自体は今回は比較しません)。
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ほぼ4コアまでしか同時には動きません。時々CPU4~7の中からも1つ2つ選ばれるのでS810の特徴であるbig.LITTLE(負荷に応じて性能の違うCPUを切り替える)は活用しているのでしょうね。

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フル回転しないのでベンチマーク計測後でも温度の上昇は緩やか。内部部品のセンサー温度で40℃ちょっとなので外装は人肌程度でした。

ケース2:HTC J butterfly HTV31(au)

・低負荷時
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この時点で一目瞭然ですね。こちらは低負荷時でも8コア全部が低いクロックとはいえ起きている状態。
また、SHと比べて少しでも動かした時のクロックの上昇も多め。

・高負荷時
こちらも同じ方法で負荷をかけました。
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8コアすべてが高クロックで動いている表示は圧巻です。スマートフォンもここまで来たかという感じですね。

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もちろん全力で動かす分、温度は上がります。

・省電力モード
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HTCスマートフォンの「省電力」モードにはCPUの性能を抑える内容も含まれているので試しに省電力モードにしてみると、通常は常時8コア動いていたところが常時4コアに。ただ低負荷時でもこれ以上減らしはしないようで省電力モードでもまだSH-03Gの通常時より性能に余裕を持たせているくらいの状態です。

まとめ

まだ2機種しか手を出していないので比較対象が少ないですが、コア数が多く組み合わせも自由な分、メーカーやその機種ごとの方針の違いでかなり性格を変えられるSoCですね。
省電力で低発熱な運用をするAQUOS ZETAのような機種もあれば、動作の良さ重視に振ったHTC J butterflyのようなスペック番長に仕立てることもできるわけです。

おそらくこのあたりがこのSoCの難しいところなのでしょう。今言われている発熱や電池消費の問題はこのSoCを扱うノウハウが蓄積されれば解決して行くのかもしれませんね(その前に次に行ってしまうかもしれませんが)。
個人的には今回のSHARPのチューニングは欠点をうまく丸め込んでいて不満も少ないのですが、正直ここまで抑えて動かすならS810じゃなくても良かったのでは?という気もします。

というわけで、結論としてはSnapdragon 810搭載機を買うならこれまでと違って「このSoCならこのくらいのスペック」という目安にしにくいので「そのメーカーが何を重視しているか」を気にすると良いのではないでしょうか。