MacBook(Early 2015)レビュー

2015.09.17 Mac・PC ライター:__agar

今年の春に発売された新しいMacBook。「12インチでretinaのMacBook Airが出るらしい」なんて噂が蓋を開けてみたら「MacBook」という非常に検索や表記に困る名前で現れたアレです。数年前の「新しいiPad」といいもう少しネーミングはなんとかして欲しいものですが…それはさておき。


個人的にはUSB-Cと3.5mmイヤホンジャックしか外部端子がない極端な割り切りや薄さ軽さを追求するあまりに特異な仕様になったキーボードなどどちらかと言えばこの機種については否定派だったのですが…

最近T90ChiやらSurface 3やらとモバイル用マシンを色々試しているなかで、「メイン機がMacなんだから外でもMacを」という選択肢も当然考えたわけです。しかしこの新しいMacBookはなかなか高価。256GBモデルで148800円、512GBモデルで184800円と結構強気の価格設定です。

「気になったら買って試せ、ダメなら売れ」がモットーの私でもちょっと試しに一旦買ってみるには抵抗がある金額なのでチャレンジしていなかったのですが、たまたま訪れたよく行く中古屋さんでセールをしていたのが運の尽き。

512GBのほぼ新品同様の中古品が13万円台で出ていたのでしばし悩んだ後、「今モバイル用にしているSurface 3と使い比べてみてどっちかを手放そう」という結論に至りひとまず購入。

外観

DSC05275
購入した色はゴールド。今までのMacBookにはない色ですがiOSデバイスでお馴染みの色なのでApple製品なのは一目で分かりますね。

DSC05277
折りたたんだ状態で見るとくさび形の断面をはじめとしてデザインはMacBook Airをより薄くしたような感じですね。

DSC05276
AirやProではヒンジ部分だけ黒い樹脂パーツだったのですが、こちらは画面側のパネルと一体の部品になっています。非常に美しい仕上がりですね。

DSC05278
Pro retina 13inchと比べると一回り小さいですね。12インチですがAirの11インチとほぼ同じくらいの面積なように思います。

DSC05279
薄さも文句なし。

DSC05280
Proと同様に画面の縁が黒になっています。Airと比べると高級感があり、MacのエントリーモデルとしてのポジションでもあるAirとリッチなモバイル向けマシンとして相応のコストをかけた新しいMacBookの違いを所々に感じます。超薄型のキーボードが独特の見た目で近未来的な感じ。

印象

使ってみた印象をいくつか。

・スピーカーはイマイチ
これまでのMacBookはキーボードの隙間や排気口を活用してスピーカーが配置されていてよく反響するおかげもあってかAirもPro retinaもなかなか内蔵スピーカーとしては良い印象だったのですが、12インチMacBookはキーボードが薄くファンレスで排気口もないためかごく普通のスピーカー穴が開けられています。ここは期待は禁物ですね、モバイル重視の機種でスピーカーを使うことも少ないと考えられるのであまり大きな不満ではありません。

・キーボードが曲者
DSC05281
薄型化のための極端にストロークが浅いキーボードはかなり独特の操作感です。慣れが必要ですがこれを使った後に他のマシンを使うと感覚を見誤ってしまうくらい変わった物なので慣れてしまうのもそれはそれで怖かったり…。
ただこれでもキーピッチや大きさは完璧に確保されているので他のMacと変わりない位置感覚で使えるのは立派ですね。

ちなみに意外なメリットがあってこれは買ってから初めて気が付いたのですが、動きが少ないためか非常に静かなキーボードです。この機種を選ぶ人は外で使うことが多くなるだろうと考えると、これなら静かな場所でも使いやすく良いですね。

・薄型軽量なのに剛性が素晴らしい
キーボード側も画面側もほとんどたわむことなく、閉じた状態であればかなりがっしりとした安心感のある作りです。見た目とは裏腹にAirと比べて華奢な印象が薄れており、安心して持ち歩けます。

・Core Mで非力さはそう感じない
写真現像や動画編集をバリバリ出先でやってやるぞというなら話は別ですが、出先で行う程度の作業なら不満はないレベルの動作です。もちろんより上位のものと比べれば見比べずとも分かる程度にロード速度の差などはありますが、これで省電力になるなら許せるかなというところ。薄型でバッテリー自体を積める量が絶対的に少ない以上この選択は効果的でしょう。
メモリ8GBとゆとりのある構成になっていることもあってか「虹色のぐるぐる」が出てくるような状態まではあまりなりませんでした。

Surface 3と比較

DSC05282
OSも基本性能も違うのですが、モバイル重視では比較的高価格帯の機種ということでSurface 3との比較です。

DSC05282
10インチ級と12インチ級の差があるのでさすがにサイズはSurface 3のほうが小さいです。

DSC05283
Surface 3はコンパクトですがタブレットPCなのでキーボードは外付け。Type Coverはかなりコンパクトな専用キーボードではありますが装着した状態ではMacBookより厚くなってしまいます。
重量はMacBookが920g、Surface 3+Type Coverが887g、Surface 3単体では622g。軽量なタブレットでもキーボードを付けるとノートとあまり変わらなくなってしまいます。

DSC05285
キーの境目の段差が非常に小さいのはほぼ互角でどちらもあまりキーの位置感覚をつかみやすくはありませんが、キーボードの打鍵感はSurface 3のType Coverのほうが好みでした。薄い見た目とは裏腹にストロークが十分あるのが大きな差。

DSC05287
拡張性はSurfaceの圧勝ですね。USBもmicro SDもありますし、充電は広く使われているmicro USBで出来てしまうなど運用はとてもしやすいです。
またSIMフリーでLTE/3Gのネットワークを使える利点はとても大きいです。本気でモバイルをやるならぜひMacも取り入れてほしいところ。

DSC05284
Surface 3は構造上キックスタンドを出さないと自立しないので使用時にスペースを多く必要とします。例えば新幹線などの座席の後ろに付いている小さな机とかだとちょっと厳しいくらいのサイズです。
その点は古典的なクラムシェルのスタイルを取っているMacBookのほうが圧倒的に有利です。膝上にだって置けてしまいます。

最終的に私がSurface 3とMacBookどちらを使っていくか決め手となったのはこの点でした。
モバイルマシンとしては一見有利に思えるタブレットPCの最大の弱点と言っても良いかもしれません。キーボードが必要な作業をするなら、画面上のキーボードで我慢するか、スタンドを立ててキーボードを開いてと従来型のPCより面倒な手順を踏むかしないといけないわけです。

これはSurface 3との比較だけでなくて、むしろ同じメーカー内で違うOSとはいえサイズや価格帯の被る「iPad Pro」と「MacBook」の住み分けにも通じるかもしれませんが、優劣は置いておいて実用性の面で言えばキーボードを使う作業が多くなるならラップトップ、タッチ操作のほうが簡単だと感じる方やスタイラスが必要な使い方をする方ならタブレット型を選ぶのがベストかもしれませんね。
「何でも出来る」端末は「何でも完璧に出来る」わけではないということです。
この新しいMacBookもまさにそういうマシンで、とにかく持ち運びにぶっちぎりで向いていて文字入力ベースの作業をするということならあとは独特の操作感覚さえ抵抗がなければ間違いない選択肢でしょう。