Apple、2016年はLucky Bag無しの初売りに。「並ばせない」方針の表れか

2015.12.26 ニュース ライター:__agar

ここ数年、恒例行事となっていたAppleストアの「Lucky Bag」。12月26日に発売の予告をして1月2日の初売りで販売というのが毎年の流れとなっていたのですが、2016年は行わない旨が本日発表されました。

これまでのLucky Bag

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Appleが毎年発売してきたいわゆる福袋です。
数ある福袋の中でも「話題性の高さ」と「当たりの大きさ」でかなりの存在感を示していました。

ご存知の方も多いと思いますがざっくり説明しておくと、例えば2015年の場合だと「ハズレ」に当たる通常の中身でもiPod touchに限定のモバイルバッテリー、beatsのイヤホン、Apple TV、さらにこれらが入れられているバッグも良いお値段するものでこれだけ入って3万6千円でした。
さらに「当たり」ならiPod touchではなくてiPadやMacBook Airさえ出てくるという豪華ぶり。

当たっても外れてもお得、そして一部のAppleファンにとっては恒例のお祭り的行事でもあったと思います。

なぜやめるのか?

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毎年各地のAppleストアで大行列、インターネットでもSNSを埋め尽くすほどの話題になってきたこの行事の中止にAppleが踏み切ったのは大きな出来事ではありますが、一体なぜでしょうか?

もちろん大盤振る舞いな福袋だったので採算が取れないことを理由にというのもあり得ますが、Appleの規模や宣伝効果を考えるとそこが主な理由ではないと思います。

私が一番の理由だと考えるのは「Apple Storeに行列を作る」ことをAppleは是としなかった、そこにあるのではないでしょうか。

宣伝効果とブランドイメージ

実は「2016年はLucky Bagをやらないのではないか」という噂は発表前から出ていました。
その理由はAppleの経営陣の入れ替わりと方針の変化です。

これまでAppleが新製品を発売するたびにファンは夜通し、場合によっては何日もApple Storeの前に並んで製品を手にし、メディアもその様子を取り上げるのが常態化していました。
穿った見方をすれば何もしなくともファンとメディアが勝手に新商品の宣伝を始めてくれるようなものですから確かに宣伝効果はとてつもないです。

一方で、そういったことを問題視する声も上がっていました。

日本では特に、Appleの看板的存在であり高級ブランドの立ち並ぶ「格式高い」場所に位置する銀座店での行列に関しての意見が多かったように思います。
「あの銀座で何日も路上で寝泊まりさせるAppleはどうなんだ」といった景観その他の理由でのインターネットの意見は行列が出来るたびに目にしてきました。

そういった批判がより色濃くなったのは日本でもSIMフリー版が最初から入手できるようになった「iPhone 6」の際の行列が記憶に新しいです。
1次販売国(最速で入手できる国)に含まれていたことや為替などの関係で、これまでの行列以上に「ファン以外の」層が増え、先述のマナーやモラルに関する意見がより激しく飛び交っていたのは未だに覚えています。

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このような見方は日本だけではなかったようで、Appleの経営陣は2015年の新製品からはブランドイメージを損ねない「並ばせない」方針に世界的に舵を切っています。

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Apple WatchもMacBookもiPhone 6sも、行列はありませんでした。
オンラインストアでのWeb予約が基本、新製品の初動ではあくまでもショールームとしての機能に徹するようになったのです。

こういった一連の流れを見ると「Lucky Bag」の消滅も自然に見えます。
Appleにとって行列を作るパフォーマンスで名を売るべきステップは終わった、そういうことではないでしょうか。