ZenFone Zoomレビュー(2:カメラ) #ASUSZenFan

2016.05.22 端末レビュー ライター:__agar

ASUS様よりZenFone Zoom(ZX551ML)をレビュー用にお借りしています。
今回は最大の特徴であるカメラを試してきました。

カメラスペック

有効画素数 :約1300万画素
センサーサイズ :1/3インチ
焦点距離(35mm判換算) :28mm〜84mm
F値 :2.7〜4.8
レンズ構成 :球面レンズ4枚,非球面レンズ4枚,プリズム2個

このほかに特筆すべき点としては、光学式手ぶれ補正と最短0.03秒で合焦可能なレーザー式オートフォーカスを備えています。

スペックを見てみますと、センサーサイズやレンズの明るさだけで言えばもっと高性能なカメラを搭載しているスマートフォンは多いです。

3倍のズームレンズ、しかもズームしてもレンズが飛び出さないという特殊な物を、限られたスペースに収めている以上致し方ないところでしょうか。

撮影例

(※以下の撮影例は、注記のあるものを除いて、フルオート撮影かつ撮って出しの状態です)
・ズームはどれくらいできる?
その名の通りズームはやはりこの機種の大きな特徴なので、どのくらいまでズームできるのか気になる方も多いと思います。
広角端と望遠端で同じ場所から撮ってみた例を、以下に2組紹介します。

P_20160522_083741
広角端(白枠は望遠端で写る範囲を書き加えた物です)

P_20160522_083749
望遠端

P_20160522_084943
広角端(白枠は望遠端で写る範囲を書き加えた物です)

P_20160522_084950
望遠端

日常撮るようなものの範囲なら十分使える焦点距離です。これ以上の望遠になるとスマートフォンの形状では安定して構えるのが難しいですし、妥当なところではないでしょうか。


・ズームを生かしてボケを作る
小さめのセンサーサイズでレンズもそう明るくないので大きなボケは作りにくいですが、35mm判換算で84mmと中望遠と言える焦点距離までズームできますので、被写体によってはこれを生かしてある程度のボケを作ることができます。

P_20160503_135257
極端な例。あまり綺麗なボケにはならないので、狙いすぎないほうが吉です。

P_20160522_094131
P_20160522_090409
適度に奥行きを出す程度に使えばそれなりに良い写りに見せてくれるシーンもあるので、使えそうな場面では試してみる価値はあるかも。


・HDRを使ってみる
P_20160522_090027
HDR OFF

P_20160522_090036_HDR
HDR ON

モード選択は任意にいつでもできますが、HDR(ハイダイナミックレンジ)撮影やローライトモードと言った機能に関しては、自動で状況を判断して必要と思われる時にはワンタッチで切り替えられるボタンを表示してくれるようになっています。

上の2枚の写真も実際にHDRモードをおすすめされた場面で撮影したものですが、黒潰れがかなり軽減されているのが分かります。
白飛びは若干残っていますが、この例に関しては照明の暗い室内と晴天の屋外が同時に写る難しめの状況なので仕方ないでしょう。

ただ、他の場面でも試してみた感触としては、黒潰れにはかなり威力を発揮しますが白飛びの解消に使いたくてもうまくいかないことが多い印象。
HDRの原理的にはどちらも有効なはずなのですが、他メーカーのHDR機能と比べると暗い部分を補完することに偏重しているように感じられました。このため期待と違う結果が得られるケースも多く、使える場面を見極めることが必要そうです。


・発色の問題
カメラの画質という観点からZenFone Zoomを見た時に、一番残念に感じたのがこの点。
発色、具体的に言うと青系の色合いが実際と極端に変わってしまうことが多いです。

P_20160522_090214_HDR
P_20160522_093340
(上画像:明度のみ補正/下画像:無編集)

晴天の青空が黄色がかった濁った色になってしまったり…
夕焼けでもおかしな発色になるケースが見られるようです(参考記事:ガジェットショット様)。

P_20160522_094105
同じ青系の被写体でも実際よりかなり鮮やかになるケースもありますが、他の色の傾向からすると、おそらくこちらは意図した発色なのではないかと感じます。他の色も彩度が高めになることが多いです。

鮮やかな傾向なのは(過剰かなという気はしますが)、彩度の高い写真が一般的にウケが良いのも一面的な事実なのでひとつの方針としてはアリでしょう。気に入らなければ編集するなり対処のしようもあります。

しかし、原因は分かりませんが、もしチューニングの傾向が原因で空の色が破綻してしまっているのならかなりもったいないと感じます。
これだけでも「ZenFone Zoomのカメラって汚いな」と思わせてしまうぐらい、あまりに影響が大きくあらゆる写真が汚く見えてしまう要素です。
もしソフトウェア的に何らかの改善を施せるならぜひアップデートに期待したいですね。


・その他気になった点
個別の例は用意しませんでしたが、その他に気になった点を挙げてみます。

・ノイズ
ISO 50でも空などの広い面を見るとかなりノイズが乗っています。センサーサイズが小さめかつ画素ピッチも狭めなのである程度は致し方ないですがちょっと気になるかも。

・解像力
焦点距離を問わず、少し拡大するとどうもハッキリしない感じですが、これで撮った写真をプリントしよう、引き延ばそうという人もあまりいないでしょう。
SNSやブログなどでの利用が中心になるであろうと考えると必要なレベルは満たしています。

・操作音
あくまでデジタルカメラではなくスマートフォンなので、業界の自主規制でシャッター音が鳴ること自体は仕方ないです。
しかし、AF音/シャッター音ともに大きめの音量でかなり目立つ音が鳴るのはちょっとやりすぎかも…

まとめ

IMG_20160522_090742
若干語弊がありますが、もっと綺麗に撮れるスマホなら他にいくらでもあります

カメラに特化したスマートフォンというコンセプト、そしていかにもなデザインからすれば、きっと多くの人は「綺麗に撮れるスマホ」をイメージすると思います。もしそれを思い描いたのなら買うべきではないかもしれません。

性質を理解した上で、あくまで「スマホで光学ズームができる」ということに価値を見出だせる、画質はともかくズームが出来ると助かるという利用シーンが日常的にある人には、他にないメリットのある機種だと思います。