ELECOM「EX-G トラックボール(M-XT2DR)」レビュー

2016.10.11 その他レビュー ライター:__agar

最近はMacユーザーだったので離れていた(Macならトラックパッドが最強なので…)ですが、Windows環境でのポインティングデバイスならトラックボール派です。


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親指トラックボール、トラックボールに馴染みの無い方向けに言えば「普通のマウスのような形で、親指を置く部分にボールが付いたやつ」が好みで、最後に使っていた機種はLogicoolのm570でした。
耐久性には若干難があるものの非常に使いやすい名機で、現在はマイナーチェンジされたm570tが販売されています。

バリエーション豊富な、親指トラックボール派への救世主

先日久しぶりにMacをやめてWindowsメインに戻ったので、トラックボールがないと困るなと。
順当にm570tを買うつもりで買いに行ったのですが…新しい機種が並んでいてなかなか良さそうだったのです。

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2015年末に発売された、ELECOMのEX-Gブランドのトラックボールです。
2014年発売の「M-XT1DR」の改良版で、かなり多くのタイプが用意されています。

有線と無線、6ボタン仕様か5ボタン+減速ボタン(後述)仕様、さらには左手仕様など、好みに合わせて選ぶことが可能です(無い組み合わせもありますが割愛)。

少数派であるトラックボールの中でも近年のモデルでは特に選択肢の少なかった親指トラックボールというジャンル。

m570を買った頃なんて本当にm570しか選択肢がなかったのに…。これだけ多くの選択肢を与えてくれるELECOMさんには頭が上がりません。

応援したいというのも込みで、今回はド定番のm570tではなくこちらを買ってみることにしました。

外観レビュー

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購入したのは、無線/5ボタン+減速ボタン/右手仕様の「M-XT2DR」です。

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本体とレシーバー、動作確認用の電池、説明書が入っていました。

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ごく普通のマウスの左側にボールが埋め込まれたような形。親指トラックボールとしては一般的な形状でしょう。
側面は光沢のある樹脂で、手を置く面だけサラサラした仕上げになっています。

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他機種と比べるとずんぐりしたフォルムですが、複雑な曲面で構成されていてフィット感は良好。
同じ「EX-G」シリーズでマウスも展開されていますが、やはりそちらと同様に持ちやすさには気を使っているようです。

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底面には電池フタとレシーバーの差し込み口があります。

ライバル機種のm570・m570tではレシーバーの収納場所が電池フタの中にあり、持ち運びの多いユーザーだとあまり丈夫ではない電池フタを頻繁に開け閉めすることになるというデメリットがあったのですが、この点は良いですね。

良い点・悪い点

速度調整の工夫
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センターホイールの下にスイッチが付いており、カーソルの移動速度を2段階に切り替えられるようになっています。
場面によって手軽に変更できるのは便利でしょう。

また、トラックボールの性質上、長距離のカーソル移動や素早いカーソル移動は得意ですが、細かな調整はマウスと比べると慣れが必要であったり難しい部分です。

その解決策として、薬指を置く位置に「減速ボタン」が備えられています。
これを押している間は一時的にボールを転がした際の移動速度が遅くなるというブレーキのような機能なのですが、これがなかなか便利。

単純に移動速度自体を設定で下げてしまうと大きな移動が非常に面倒になってしまうのでなかなか良い機能ではないでしょうか。
通常速度でラフに移動してから減速してカーソルを合わせるですとか、スライダー調整のような細かな操作をする時だけ減速するなどの使い方が可能です。


(余談)
トラックボールのみで色々するには便利な一方で、トラックボール以外にマウスやタッチパッドなどを併用している場合には性格の違いで使い分けているでしょうから不要な機能とも言えます。

その場合は「M-XT3DR」を買えば薬指ボタンが減速機能ではなく自由に機能割り当てできるボタンになっているので有効活用できるでしょう。
細かい部分の好みにまで応えられるラインナップで素晴らしいです。


ボタン・ホイールの感触
各ボタンはオムロン製のスイッチを採用していて、フィーリングも良いですし耐久性も期待できそうです。

センターホイールは溝の付いたゴムが巻かれているタイプで、回すと程よいフィードバックがあります。
チルト機能付きなので左右スクロールにも対応可能。


×ボールの感触
ここがダメなら他が良くてもトラックボールとしても意味がないというところではあるのですが、どうも競合製品(というかm570)と比べてスムーズでないです。

転がした際にどうも抵抗感がありますし、音もシューシューと摩擦音がします。
もうちょっと滑らかに動いてくれないとストレスというか、トラックボールの良さが損なわれるかなあという印象ですね。

×手のポジション
形状自体はm570よりも手に馴染むよう考え抜かれていると思いますし実際フィット感もあるのですが、自然に肩の力を抜いて使えるかというとm570のほうが合っているなと感じました。

両機種の手のポジションを言い表すなら、EX-Gトラックボールは「手で真上から覆う」イメージ、m570/m570tは「本体の右斜めに手を置く」イメージです。
両者を比較すると、EX-Gは若干手首を内側にひねるような感覚です。m570の”斜めに添える”感じがすごく自然なんですよね。

机の高さや好みによっても変わってくるところだとは思いますが、長時間使うなら重要なポイントではないかと思います。

まとめ

鉄板のm570系に勝る部分もボール以外では見受けられるだけに、詰めの甘さが残念です。
この機種を買うような人はその操作感と快適性にこだわっているからこそトラックボールユーザーなわけで、正直これでは決定版としておすすめはしにくいですね。

m570のボールに交換すると良くなる、という改善策もあるらしいので、おそらく全体の設計を変えないとどうにもならないような問題ではないでしょう。
既に1度改良されているモデルですし、もし次の改良があるならばぜひ力を入れていただきたいポイントです。

良い部分も多々あり使い物にならないわけではないので、有線の親指トラックボールや左手用が欲しいのならば買っても良いと思います。
特に左手用に関しては非常に珍しいモデルです。m570のボールに交換してまでも使う意義はあるでしょう。

無線・右手用の普通のモデルが欲しければまだm570tには敵わない印象。
数少ないトラックボールに力を入れてくれるメーカーなので、m570シリーズの天下を崩す日が来るのか今後に期待しています。