【ベストバイガジェット2016】未来感あふれるモバイルPC「YOGA BOOK」レビュー

2016.12.25 ガジェットレビュー ライター:__agar

この記事は今年のベストバイガジェット Advent Calendar 2016の25日目の記事です。

最終日の本日は、主催者の__agar(GeekDays管理人)がお送りします。

昨日24日はあだっちさんの「【ベストバイガジェット2016】 君はどこまでも蒼く美しい… HUAWEI Honor 8」でした。

筆者が今年買ったガジェット

まずは、選考対象となる筆者が今年購入したガジェットを振り返ってみたいと思います。

1月…Battery Wi-Fi、Xperia M4 Aqua、SHL25(mineo版)、Qua tab 01、SH-02H

2月…なし

3月…Nexus 5X、Xperia Z4 Tablet

4月…Xperia Z3(Purple)

5月…Mi 4c

6月…ムーヴバンド3

7月…Desire 626(楽天モバイル限定色)、Mi 5

8月…Melrose S9、Xperia Z4、Ulefone Metal

9月…LG G5、Speed Wi-Fi NEXT W03

10月…VAIO Pro 13 mk2、iPhone SE、Moto G4 Plus

11月…EARIN、Lumia 1520

12月…YotaPhone 2、MONO、YOGA BOOK、WPJ40-10

(※GeekDays内でレビューしたもののうち、提供品を除外しています)

今年は意外と控えめな(月もある)気がします。

この中で選んだ私の2016年ベストバイガジェットは…「YOGA BOOK」です!

選出理由


正直、これをベストバイガジェットに選んで良いものかかなり迷いました。
恐ろしく人を選ぶ端末ですし、私自身このYOGA BOOKには一目惚れだったのですが実際に購入するにはかなり思い切りが必要でした。

「これ使いやすいよ!便利だよ!神!オススメ!みんな買おう!」という意味でのベストバイガジェットではなく、こんなガジェットが存在するおもしろさ、製品として世に送り出したLenovoさんへの敬意、何より未来を感じたから、といった意味での推しです。

フォトレビュー


YOGA BOOKにはWindows版とAndroid版(Web直販限定)、それぞれにWi-Fi版とLTE版の計4モデルがあります。
私が使っているのはWindows/Wi-Fi版です。


まずは畳んだ状態からお見せしましょう。マットな質感で余計な物のない天板に、Lenovoロゴがワンポイントで入っています。
10.1インチのPCなのでフットプリントは小さめ。タブレットクラスの大きさです。


かなり特殊なマシンなので拡張性は犠牲になっています。
端子はmicro USBとmicro HDMI、3.5mmオーディオジャックが1つずつあるだけです。


micro SDにも対応しています。LTE版はこの位置にSIMカードも一緒に入れられるようですね。

出し入れにピンが必要なこと、そしてLTE版で言えばmicroSDトレイを開けるとSIMカードも抜けるので通信がが切断されることを考慮すると、このmicroSDスロットは頻繁に出し入れしてデータのやり取りに使うというよりは、64GBしかない内蔵ストレージを補うために大容量のものを入れっぱなしで使うほうが良いのではないでしょうか。


特殊なキーボード(後述)、割り切った端子類、ファンレス設計などのおかげで恐るべきスタイルの良さに仕上がっています。

ディスプレイ側・キーボード側どちらを取っても薄く、しかも端だけを薄くするようなトリックではない本当の薄さです。
合わせて厚さ9.6mmですから、その状態ですら十分にWindowsタブレットとしてならおかしくないような…。


遠目には通常のノートPCのようにも見えますが、360°回転を可能にするYOGAシリーズ独特のヒンジ構造と、最大の特徴であるキーボードが目を引きます。


YOGAシリーズではおなじみの「ウォッチバンドヒンジ」という、名前の通り時計のバンドのような外観の特殊なヒンジ。
この機種に限ったことではないのですがよく出来ています。


YOGAと名の付くモデルの中でもこの機構を使わずに、単純に通常のヒンジを2軸にしたような作りで360°回転にしている機種もあるのですが、折りたたみのスムーズさ、そして何より多軸ヒンジにありがちな開閉時のねじれやズレの無さは特筆すべきものです。


“Halo Keyboard”と呼ばれるこのキーボードは、平らな板にLEDでキーが浮かび上がる仕様。

キーストロークは存在せず、スマートフォンやタブレットの画面上のキーボードを打つのとあまり変わらない感覚ですが、あえてこんな変わり種を採用しているのは単に薄型・軽量化のためだけではありません。


キーボードを消すとペンタブとしても機能するのです。
さらに、付属の専用ペンにはボールペンタイプの軸が付属しており、ペンタブ部分の上に紙を置いて書くと、紙とデータで同時に同じメモが取れてしまうという機能まで。

考えてみれば、スペースの限られているクラムシェルの中で、キーボードとタッチパッドは表面積の1/4、それも最も操作しやすい部分を当然のように占めてきたわけです。
こういったスタイルは新しい可能性を感じました。

気に入っている点

・最強のドヤリングPC!
いきなりそこかよと思われるかもしれませんが、これには3つの理由があります。

まず、ここまで書いたように先進的な見た目はとてもクールです。
好き嫌いはあるかもしれませんが、少なくとも「なんだあのパソコン!?」とは思ってもらえるでしょう。

次に、この上なく静かなPCであることです。

ディスクレス・ファンレスで動作音がしないのはもちろんのこと、タイプ音すらしないわけですから。スマホを使うのと同程度のタッチ音ぐらいしか聞こえないはずです。

使っていて周囲の人々に迷惑をかけるのはドヤリング以前の問題ですからね。

そして何よりも、真のドヤリングは清潔感からです。

意外と無頓着な人も多いですがノートPCって基本的に汚いです。
キーボードにゴミが詰まりまくったり、キートップや細かいキーの隙間が手垢まみれなMacBookでドヤ顔されても幻滅しちゃいますよね。

その点YOGA BOOKは最高です、基本的にすべて平らですから。
さしたる手間をかけずに人前で出して恥ずかしくないコンディションを維持できます。


・持ち歩きもタブレットモードも、軽さは正義!

何にしてもやはり薄さと軽さはモバイルにおいて正義です。

10.1インチなのでカバンをあまり選びませんし、邪魔にならない薄さ、気にならない重さ。まずは持ち歩きに威力を発揮します。

私は主に机のあるところではラップトップモード、机のないところではタブレットモードで使っています。動画視聴用などとされているテントモードはあまり利用シーンが浮かばず使っていません。

この手の画面が分離しないタイプの2in1 PCでは、タブレット状態だととても長時間使う気にはなれないサイズ感になってしまうことがどうしても多いです。

ところが、YOGA BOOKの場合は圧倒的な薄さと軽さ、そして画面を後ろに回しても収まりの良いデザインのおかげで、元から普通のタブレットだったかのような使い心地。違和感がないです。

おまけ程度ではないタブレットモードの扱いやすさと、2in1である故のサイズ・重量的な不利を感じさせないラップトップモードが両立されているおかげで、本当の意味で2つの種類の端末を1台にまとめて持ち歩けている感じがしました。


電池持ちが良い!
薄型軽量のマシンとなると電池の問題は付き物。
モバイル性を重視して削ぎ落とせば削ぎ落とすほど、そのモバイル用途にこそ必要な連続稼働時間が犠牲になり始めるというのは非常に悩ましい問題です。

これについても、YOGA BOOKは比較的高次元で満足させているように感じます。

厳密には電池持ちと言って良いものかは分かりません。確かにAtomマシンなので省電力には違いないのですが、稼働時間が長いのは8500mAhの大容量バッテリーを搭載してくれたことが大きいのではないでしょうか。

板のように薄いボディの、一体どこにそんなバッテリーを詰め込んだのだろうと思ってしまいますが、とにかく奇抜なデバイスでありながら基本を忘れていないのはありがたいです。

バッテリー絡みで言えば、micro USBなのでPC専用に充電器を持ち歩く必要がないのは荷物を減らせて嬉しいところです。

イマイチな点

操作関係
キーボードは文字入力に限って言えば意外とイケます。

オンスクリーンキーボードでも、例えば9.7インチ以上のiPadのものってかなり打ちやすいですよね。あれは配列とキーサイズ・キーピッチにこだわっているからです。

板にLEDでキーボードの模様が映し出されているだけのバーチャルキーボードにも同じことが言えて、本物のキーボードのセオリー通りで極端な癖がある作りではないので十分適応できました。
もちろん本物のキーボードで打つよりは遅くなりますし、同等に使えるという意味ではないのですが悪い物ではないです。

では何が不満なのかと言えば、今触れた「本物のキーボードのセオリー通りでない」部分にはどうしても不満が残ってしまうのです。

例を挙げれば、本物のキーボードと違ってしばらく操作しなければライトが消えて待機状態になります。
ここから復帰する時には、最初の1操作が取りこぼされてしまうことがあります。
文字入力を開始するときやショートカットキーを押したいときなどは気になりました。

まあキーボードに関してはその程度です。度肝を抜かれる見た目の割には、ある程度使えます。

問題はタッチパッド。
キーボードの下に通常のノートPCのようなスタイルで枠が表示され、その中でカーソル操作をするのですが非常に使いづらいです。

ペンとキーボードのためにパネルの表面が少し抵抗のある素材になっている故の違和感か、あるいは左右のクリックボタンもタッチパネル上のものなせいか…
これだけ広いタッチパネルがあるのだから、ジェスチャ操作も充実させてくれると良い気がします。

正直、操作周りは未完成でストレスを感じます。
それでも使いたい魅力を感じるからこそ使っているんですけどね!?


使ってみて分かる、細部の使いにくさ
長所と背合わせな部分もあるので否定しにくいのですが、使ってみないと気付きにくいマイナスポイントがいくつかあります。

操作関係は先に書いたので、こちらはハードの作りの話。


まずはゴム足がないこと。ほとんどのノートにはあるものなので購入するまで考えもしませんでしたが…無いと結構滑る場所もあるんですね。
底面がべったり机に付くことになるので、傷も少々心配です。

その分、画面を後ろに回してタブレットモードにした際の一体感は素晴らしいのですけれどね。

次に、薄さの犠牲になったのでしょうが、畳んだ状態から開きにくい。片手で開けるのは難しいです。


スペック
確かに今時のAtomは一昔前のイメージが残っている人からしたら考えられないほど優秀で、本機に採用されているZ8550はそれなりに動きます。

しかし、これだけ先進的で遊びの幅も広いマシンに、スペックという足枷がかかってしまっているのはもったいなくも感じています。

もっとも、今はまだAtomでなければ実現できないマシンなのは確かなので、未来のハイエンドモバイルPCのデモンストレーションを見せてもらっているぐらいのつもりではあります。
こんなのがハイスペックで出来たら楽しいだろうなあ…

ただ、Atomなのは納得できるとしても、ペン入力推しのセールスをしておきながら、RAM 4GB/ROM 64GBのモデルしかないのは納得の行かないところです。
Windows版だと最低限ギリギリやっていけるぐらいのリソースなのが厳しいですね…

まとめ


一癖も二癖もあるマシンですが、多少無理をしてでも使いたいだけの魅力があり、ある意味すごく気に入っています。

私はこのベストバイガジェットの記事を書くために、YOGA BOOKに本気で向き合おうと思い10日ほどメインPCを封じてこれ1台で生活していたのですが、想像していたよりは慣れるものですね。

最初はキーボードの違和感がすさまじかったのですが、今は「こういうキーボードもあるよね」ぐらいには思えてきました。

もっとも、あくまでホームポジションやキーの位置を触感で把握することはできないので、一度思い描いている入力から外れてしまうと手元を見て修正しないことには意図通りに動かせない気持ち悪さはどうしても残るのですが…

そこは「従来の物理的なキーボード」に慣れ親しんできた我々の操作の癖であって、例えば最初からスマートフォンやタブレットの画面上の、バーチャルなキーボードを当たり前にして育ってきた世代なら案外なんとも思わないのかもしれません。

アイソレーションキーボードが登場し、今や新MacBookのような極端にキーストロークの浅いものに時代が向いているのを考えると、案外このYOGA BOOKのようなフルフラットキーボードがごく普通の選択肢になっている未来があってもおかしくないようにも思います。

少し話がそれましたが、結論としては、あらゆる面で新鮮でスマートなこのYOGA BOOKは(それが本当に将来的にスタンダードになるマシンではないとしても)とても未来を感じさせる楽しいガジェットだということです。


もしこのレビューを見てYOGA BOOKに興味を持たれた方がいれば、Android版を強くおすすめします。

ハード構成はまったく同じで1万円以上安い上に、WindowsではカツカツなスペックもAndroidでなら余裕を持って使えるでしょう。
10.1インチで1920×1200という高解像度ディスプレイの扱いもモバイルOSに分があります。

独自実装のマルチウィンドウ機能だってありますし、普通に実用性があるのはおそらくAndroid版です。

それでも、どうしてもこの端末でデスクトップOSが動くのを味わいたい奇特な方は一緒にこの沼に沈みましょう!

「今年のベストバイガジェット Advent Calendar 2016」を終えて

昨年に続き、Adventarというサービスを利用して「同じテーマで25人のブロガーが記事を書く」という一昔前のバトンのような企画を開催させていただきました。

まずは、参加していただいた皆様ありがとうございました!
1人の読者としても大変楽しく読ませていただきました。

昨年はデジタルガジェットなのか分からない物まで(?)幅広い製品を皆さん選ばれていてそれはそれで楽しかったと思うのですが、今年は真剣に直球で気に入っているガジェットを投げてくる方が多かったのは印象的でした。
熱いレビューがたくさん見られて面白かったです。

参加者の募集をかけてから4時間ほどで定員に達してしまったり、参加できなかった方のつぶやきを見かけたりもしたので、意外と需要があるのかなと思ったり…また来年、お待ちしております!

今年のベストバイガジェット Advent Calendar 2016

今年のベストバイガジェット Advent Calendar 2015