ThinkPadの25周年記念モデル「ThinkPad 25」を買いました

2017.11.04 Mac・PC ライター:__agar

ThinkPadシリーズの25周年記念モデル、「ThinkPad 25」を購入したので、ファーストインプレッションをお届けします。

「ThinkPad 25」とは?


「ThinkPad 25」は、1992年10月の「ThinkPad 700c」から数えて25周年となるThinkPadシリーズの節目を祝う記念モデルです。日本では1000台の数量限定で2017年10月に発売されました。

ThinkPad T470をベースとしたノートPCで、国内販売モデルの構成は Core i7-7500U / GeForce 940MX / メモリ 16GB / SSD 512GB / 14.0インチ 1920×1080(FHD) IPS液晶 / JISキーボード の固定構成。

ベースモデルとの最大の違いは、現行のThinkPadシリーズに搭載されている6列アイソレーションキーボードではなく、この記念モデルのための新規設計で復活した7列キーボードを搭載していることです。トラックポイントのキャップも現行のソフトドームに加えてクラシックとソフトリムを含めた3種類が付属し、可能な範囲で以前のモデルの操作性に近付けています。

また、IBM時代の3色ロゴをイメージした通常とは異なるThinkPadロゴが入っているほか、日本版限定でウルトラスエードを使った専用ケースが付属するなど限定モデルらしい要素もあります。

私が購入した理由


このモデルを購入された方の多くは、長年ThinkPadを使ってきた思い入れのあるファンか、7列キーボード時代のThinkPadをユーザビリティを実利的な理由から求めるユーザーに大別されると思います(ただ往々にして前者は後者の理由も含んでいるでしょう)。

私は後者で、7列キーボードで現代的なスペックを持つ今後数年付き合っていけるモデルがあるならば、道具として179,500円+税の元を取れるだけの価値はあるだろうと購入しました。
限定モデルだから後生大事に…というつもりはなく、しっかり使い切るつもりです。とはいえ、さすがに1000台限定の記念モデルだけあってパッケージから本体まで随所に特別感のあるモデルで、現物を手に取ったばかりの今はそこまで割り切れずにいますが。

開封


外箱は簡単な印刷がされたダンボールのようなもの。


開けると似たデザインの箱がもう1つ出てきました。こちらは上質な紙箱で、25周年仕様のロゴがカラー印刷されています。


蓋を開けると今度は扉が。なんでしょう?


なんと、扉を左右に開けると内側に赤い箱がせり上がってくるという凝った作りになっていました。X1 Carbonなどでも使われているようですが、ワクワクするパッケージです。


最上段には、3種類のトラックポイントキャップと25周年ブックレット。
ブックレットは英語ですが、日本語で読みたい方には本文のみ日本語訳した別紙が説明書と合わせて入っています。


次の段には、黒いシートに包まれた本体が入っています。



最後の段には、説明書やバッテリー、ACアダプタが入っていました。
最近のモデルを見ていなかったので知りませんでしたが、現行モデルもACアダプタは旧Lenovoロゴのまま流通しているものがあるのですね。


そして本体が入っている箱とは別に、もう1つ真っ黒な薄い箱が入っているのも忘れてはいけません。実はこれが、ThinkPad 25の中でもさらに日本向けモデルにしか付属しない特典なのです。


中身はウルトラスエードで出来た「スペシャルソフトインナーケース」と、レノボ・ジャパンの内藤副社長による感謝状。


柔らかな手触りが素晴らしく、高級感のあるケースです。


ケースこそ非売品なのでもったいなくて使えない、と思ってしまいますが、ウルトラスエードはそうやわな素材でもありません。
ThinkPad 25をモバイルしようという気はさほどないのですが、出番が来たら使ってみようと思います。

外観など


限定モデルだからと言って過度な装飾はなく、質実剛健ないつものデザインに、ワンポイントで入ったこの機種ならではのRGBロゴが控えめに主張しています。


Lenovoロゴも天板に入っているのですが、新ロゴになってからの他のモデルと同様に彩色はされずエンボスで入っているだけなのであまり目立ちません。


ボトムケースは至ってシンプルな作り。このあたりは最近のThinkPadですね。


言われなければこれが特別なモデルだとは思われないであろうごく普通のThinkPadの佇まいですが、そこが良いのです。


強いて言えばキーボードの上、ヒンジ近くの部分にだけ「Anniversary Edition 25」という印字が入っていて25周年記念モデルであることを示しています。一方、製品名である「ThinkPad 25」という名前は外装には書かれていません。


ロゴの比較、右はX250です。ThinkPad 25のロゴは”Pad”の3文字がIBM時代のロゴのようなRGBカラーになっています。


この機種の肝であるキーボードの全体図です。モデルとなっているのはT400~T420のキーボードですが、既存パーツの再生産ではなく新規設計で作り起こされた物。さらにキーボード自体だけではなく、電源ボタンの配置やカーソルキーの手前の形状など周辺も7列キーボードに合ったデザインを取り入れているこだわりが見られます。

私自身、最後に触ったThinkPadの7列キーボードがそれと同世代のX220の物なのですが思い出しつつ比べてみると、まずThinkPad 25のキーボードはキートップがカチャカチャと音を立てることがなく上質な印象を受けます。キーボードの表面を撫でてみてもほとんど手との摩擦音しか聞こえないほどでかなりしっかりした作りだと思います。
ベース機種の仕様や付属のトラックポイント・キャップがロープロファイル版相当の物ということなどからキーストロークが浅い可能性も懸念していたのですがそうした悪印象もこれといってなく、個人的には期待通りの打鍵感でした。


トラックポイント・キャップは3種類揃って付属していますが、あらかじめ本体に装着されているのはクラシック。


懐かしいカラーリングの7列キーボードですが、その横にはかつてのスライド式ではなく最近の機種で搭載されている指を置くだけのタイプの使いやすい指紋センサーが。


ディスプレイの上にはWindows Helloの顔認証に対応するIRカメラまで搭載しています。意外にも最新仕様です。


壁紙にはThinkPadシリーズのデザインに長く関わったリチャード・サッパー氏の言葉が引用されています。

まとめ


私は非常に気に入りましたが、どういう物として見るかで評価の分かれる機種なのでしょう。

良くも悪くも先祖返りしているのはキーボードやトラックポイントといった操作系だけで、スペックを見れば発売時期的に第8世代Core iシリーズでこそないものの現行Tシリーズの上位クラスにあたる構成、機能面で言えばタッチ式指紋センサーにIRカメラ、USB Type-C端子だってあります。今時の機種らしい部分も同居しており、ギャップの塊のようなところがあるのです。

25周年を記念したコレクターズアイテム的な側面を期待して買った人、あるいは特定のある時期のモデルのストレートなリメイク版が欲しかった人はきっとがっかりするだろうな、というのはそちらの立場ではないまでも理解はできます。

一方、実用機としてこれからも使っていける7列キーボード搭載機の復活を待っていた方なら間違いない物だと思います。過度に懐古趣味すぎることもなく、マンマシンインターフェースだけが望む形に戻った現代的な性能・機能の機種なんてどこを探してもないでしょう。ツールとしては非常に好ましいマシンだと感じました。