3辺狭額縁のAQUOSが帰ってきた!「AQUOS S2」レビュー

2017.12.23 モバイル ライター:__agar

海外通販サイトのBanggood様より、SIMフリースマートフォン「AQUOS S2」をレビュー用に提供していただいたのでご紹介します。


※本記事は、技術基準適合証明を取得していない端末の日本国内での利用を推奨するものではありません。

「AQUOS S2」とは?


「AQUOS S2」は、中国市場を皮切りに各国で発売されているSHARP・AQUOSブランドのスマートフォン。

実質的な開発・製造はSHARPと同じ鴻海傘下にあるFIHが行っており、SHARPは監修とブランドライセンスの提供という形で関わっています。日本向けの直系のAQUOSスマートフォンとは少し事情が異なりますが、最近はこうした形でのAQUOSスマートフォンの海外展開が活発で、その最新機種にあたるのがS2というわけです。

最大の特徴はインカメラ部分を避けるような特殊形状の「フリーフォームディスプレイ」で、これによりインカメラが画面上部にある一般的なレイアウトを保ったまま、かつての「EDGEST」のような3辺狭額縁が実現されました。

標準モデルはSnapdragon 630/RAM 4GB/ROM 64GB、上位モデルはSnapdragon 660/RAM 6GB/ROM 128GBという構成で、ミドル~ハイミドル程度のスペック。


今回のレビュー機はSnapdragon 630版、カラーはホワイトです。

開封・付属品



外箱は横方向にスライドさせて開けるようになっています。日本向けのAQUOSはキャリア端末・SIMフリー端末ともに素っ気ない印象のパッケージなので、少し高級感のあるパッケージに意外性がありグッと来ました。


開封するとまずは本体、その下に付属品が収められています。


付属品の一覧です。USB Type-Cケーブル、ACアダプタ、イヤホン用の変換アダプタ、SIMピン、ケース、説明書などが入っていました。



付属のハードケースは内側に細かなドットが入っており、装着した際に干渉縞が出にくいです。その分、透明度はやや低め。

外観


まずは前面。画面を消灯した状態ではごく普通のスマートフォンといった雰囲気です。


画面下部には指紋センサーがあり、間にSHARPのロゴが入っています。
充電はUSB Type-C端子でイヤホンジャックはなく、有線のイヤホンを使用する場合は付属の変換アダプタを通してUSB経由で接続するようになっています。

USB端子の左右を見ると一見ステレオスピーカーのようなデザインですが、右側がスピーカー、左側の穴はマイク用に開口されている1つを除いてダミーです。


続いて背面を見ると、iPhone Xのような縦並びのデュアルカメラが目を引きますね。机など平らな場所に置いた際のガタつきが大きくなるので、実用性は一般的な横並びのほうが上だと感じました。気になる方はケースの利用をおすすめします。


AQUOS S2の背面はカラーによって少し仕上げが異なり、ホワイトのみ横方向にストライプが入っています。
カメラ周りや端の方を見てみるとどうやら白いパネルの上に模様入りのクリアパネルを被せた2層構造となっているようで、なかなか凝った作りです。


右側面には音量キーと電源キーが並んでいます。金属製のフレームは中央にまっすぐなラインが入っていてスマートな印象。


左側面にはnano SIM・microSDカードトレイがあります。

ディスプレイとフレームの境目にある樹脂パーツがやや荒かったり、側面キーのクリック音がうるさかったりと純粋なSHARP製のAQUOSスマートフォンと比べると安っぽいと感じる点はあるのですが、それらに目を瞑れば実用機としては良いと思います。
数値的には特筆すべきレベルではないにも関わらず、体感的には薄く軽いように感じ扱いやすい筐体に仕上がっています。

フリーフォームディスプレイ


AQUOS S2のディスプレイは長方形ではなく、インカメラ部分と上側2ヶ所の角が切り落とされた特殊な形状。
従来型のディスプレイでは配置できなかった部分にまでディスプレイを広げられることで画面占有率が高まり、大画面ながら扱いやすい本体サイズに収まっています。


「Essential Phone PH-1」や「AQUOS R compact」に似た仕様ですが、これらは液晶の角を丸くカットしているのに対してAQUOS S2は斜めに切り落とされています。

R compactとS2のアスペクト比はいずれも17:9とされているものの、R Compactはやや中途半端な2032×1080、S2はぴったり17:9の2040×1080と若干仕様が異なります。理由は明らかになっていませんが、ひょっとしたら角の形状による加工方法の違いから来ているのでしょうか。

一般的に普及している16:9の機種よりやや縦長の画面ということになるAQUOS S2。しかしながら、実用上ではこの違いを感じることはあまりありませんでした。

PH-1ユーザーからもしばしば同様の感想が上がっていますが、現状としてはこの手のインカメラがディスプレイに食い込んだ仕様のAndroidスマートフォンはあまりその分のスペースを有効活用できていないのが実情。ほとんどの画面ではインカメラの両側のスペースはステータスバーとして使われているので、インカメラから下のメインの表示領域がステータスバーの高さ分だけ増える程度の違いです。

18.5:9のGalaxyシリーズあるいは18:9のLG製端末などの、欠けがない縦長ディスプレイ搭載機のような情報量の増加というメリットはあまり感じられません。


一方で、使ってみて気付いたメリットはインカメラ分の高さを除いた表示領域がほぼ16:9であるということです。

ゲームなどを全画面表示した際に自動的にインカメラ部分を除いた16:9の範囲で表示してくれるのでレターボックスが気になったりインカメラの切り欠きで表示が隠れることはなく、さらに言えば通常時はない余白が出来ることで横持ち・全画面時に(16:9の)以前のEDGEST機よりも使いやすいと感じました。

この他にも、画面内にインカメラが入り込んでいることでインカメラ使用時に目線を合わせやすい利点もあります。17:9ならではの情報量の多さというよりは、細かい部分の使い勝手に効いてくる仕様ですね。
実用面以外で言えば、何より見た目のインパクトと近未来感はこの形状ならではと言えるのではないでしょうか。

サイズ比較

AQUOS S2のディスプレイサイズは5.5インチです。しかし、一般的にディスプレイのサイズというものは対角線の長さで表されているので、本機種のような特殊な縦横比の場合には単純に他機種とインチ数を比べただけではあまりサイズを掴む手がかりになりません。大きさの参考のために、アスペクト比の異なる他機種と並べてみました。


Moto X 2nd(5.2インチ/16:9)との比較です。画面ではなく筐体のサイズを見比べてみると、ほぼ同等であることがご理解いただけますでしょうか。

AQUOS S2のサイズを16:9の従来機種で例えるなら5.0~5.2インチ程度のスマートフォンのサイズに近く、ディスプレイサイズが5.5インチとだけ聞くと大きそうな印象を受けますが、実際には扱いやすい本体サイズです。


Galaxy S8(5.8インチ/18.5:9)と比較すると幅はS8のほうが狭く、長さはS2のほうが短いです。
こうして見ると昨今の変形ディスプレイ組の中ではS2は旧来のスタイルに近い方なので、違和感が少ない部分もありそうです。

メーカーごとにアスペクト比の異なる機種が乱立しつつある現状、対角線長での比較はもはや難しいかもしれません。大抵の場合は本体の寸法も公開されているので、そちらを参考にしたほうが手っ取り早いのではないでしょうか。ちなみに、AQUOS S2の本体サイズは141.8 x 72 x 7.9mmとなっています。

スペック・動作


標準版のSnapdragon 630 / RAM 4GBでも動作に目立った不満はありません。重量級のゲームアプリなどを除けばこちらでも十分使えるでしょう。

別の機会でSnapdragon 660搭載機に触れた際にCPU性能の高さを実感しているので、S2の筐体であのスペックが手に入ればかなり魅力的だとは思ってしまうのですが、現時点ではS2のSnapdragon 660版を取り扱っているショップはかなり少ないですし、あっても高価なところが多いです。旬を逃してしまうくらいならSnapdragon 630版を買っておくことをおすすめします。

UI・機能など


AQUOS S2には、日本向けのAQUOSスマートフォンとは別の独自UI「Smile UX」が搭載されています。


執筆時点でのOSバージョンはAndroid 7.1.1、セキュリティパッチは9月1日のものでした。

S2のソフトウェアは中国版と国際版があり、ビルド番号に前者は「CN」、後者なら「WW」と入っています。レビュー機はBanggoodから到着した時点で国際版のソフトウェアとなっていました(OTAなど未確認のためハードがどちらのものかは不明)。
ソフトウェアの入れ替えはアップデートファイルを少しリネームするだけで簡単にできるので、自己責任の上での話にはなりますが、もし中国版を購入した場合でも大きな手間はかからないと思われます。



ホームアプリはアプリドロワーのない形式のカスタマイズが施されたものです。プリインストールアプリは多いほうではありませんが、数種類のゲームなども入っていました。



アプリ履歴画面は2つのスタイルから選択可能。デフォルトでは全画面表示・横スクロールのものですが、画面下部にまとまったコンパクトなタイプも用意されています。


日本語ロケールはありますが、独自機能をはじめとした一部の項目は英語表示となります。


オンスクリーンキーでの操作を前提とした機種ですが、もっと画面を広く使いたい場合には指紋センサーを使った操作や「Suspension ball」と呼ばれるフローティングボタンを利用することも可能です。
それぞれの操作方法自体は他メーカーでも見かけるものですが、3つの操作を併用することもどれか1つに絞ることもできる自由度の高い仕様となっていました。ただし、いずれの操作でもメニューキーの表示ができないのは古いアプリを使う際には困るところ。

カメラ


カメラアプリの撮影画面です。スワイプでモード切り替え、左端のボタンで設定ができるようになっています。


最近ずいぶんと増えてきた、撮影写真に機種名のウォーターマークを入れる機能が付いています。試してみた限りではオート撮影時のみの適用となるようです。

以下、オート・加工なしでの作例です。



夜景もメシ撮りもなかなかいける性能で、安価な機種でこれだけ撮れるのはありがたいですね。


デュアルカメラを使った機能として、深度情報を取得して擬似的なボケを作り出すこともできます。

まとめ


日本では見慣れないFIH製の海外向けAQUOSスマートフォン、そして特殊形状のフリーフォームディスプレイを搭載した機種というどちらかと言えばイロモノとして興味があったのですが、手にとってみるとなかなか良くまとまった機種でした。

軽く扱いやすい筐体やミドルレンジ機に期待する以上の性能を持ったカメラなど魅力は十分。先進的なベゼルレスデザインも楽しく、良質かつ他とは一味違うミドルレンジ機をお探しならおすすめです。

SHARP AQUOS S2 | Banggood