「Galaxy S8 SC-02J」レビュー。 新時代の幕開けにふさわしいフラッグシップ

2017.12.18 モバイル ライター:__agar

docomo版のGalaxy S8(SC-02J)を購入し2週間ほどメイン機として使用してみたので、レビューをお送りします。

「Galaxy S8 SC-02J」ってどんな機種?


Galaxy S8はサムスンのフラッグシップモデル・Galaxy Sシリーズの2017年モデル。今回購入したのはNTT docomo版のSC-02Jです。

前モデルからの最大の変更点は従来と異なる18.5:9のアスペクト比を採用するとともに狭額縁化によって画面占有率を高めた「Infinity Display」で、表示領域の拡大と持ちやすい本体サイズを両立した設計となっています。

この仕様の兼ね合いで従来のGalaxyシリーズでは画面下に配置されていた物理ホームボタンは廃止されAndroid端末の操作としては主流のオンスクリーンキーに変更、指紋センサーは背面に移動しました。
指紋センサーへのアクセス性が低下したことを考慮してか虹彩認証・顔認証にも対応しており、こちらも機能面での大きなトピックとなっています。

もちろん高性能な機種としても名高いSシリーズの最新機種だけあって、基本性能も順当に向上しています。
SC-02Jの場合は、Snapdragon 835 / RAM 4GB / ROM 64GBでバッテリー容量は3,000mAh、ディスプレイは5.8インチ 2,960×1,440(QHD+)のSUPER AMOLEDといった構成。2017年6月8日に発売され、Orchid Gray / Midnight Black / Coral Blueの3色展開となっています。

開封・付属品


パッケージは昨年モデルと同じ黒い紙箱ですが少しデザインが変わって、中央に「S8」とだけ青字で書かれていました。


上下に開くのではなく、箱にフタが巻かれているような形の少し珍しい開け方。


付属品は、イヤホン・交換用イヤーピース・テレビ用のアンテナケーブル・SIMピン・クイックスタートガイドなどの書類。
イヤホンはオーディオブランド「AKG」によってチューニングされた物が付属しています。

外観

※ご紹介する端末のカラーは”Coral Blue”です。


前面に物理キー・タッチキーが無くなったことで一見するとGalaxyらしくない外観。今年は”edge”という名称は特に冠されていませんがここ数年のGalaxyシリーズの上位機種で採用されてきたエッジスクリーンを継承しており、画面の両サイドは背面側に向かってカーブしています。


画面上部の狭いスペースに整然と並ぶセンサー類の中でも、異彩を放っている青いセンサーが虹彩認証のためのセンサーです。よく反射するので通知と見間違えてしまうこともあるのですが、デザインのワンポイントとして見ても嫌いではありません。


ガラス張りの背面は、前面と比べると従来機種の面影があるデザインですね。目立つ違いはカメラの隣に指紋センサーが移動してきたくらいで、いつものGalaxyという感じです。


右側面には電源キー。Coral Blueの場合はフレームも淡い水色になっているのがかわいいです。今年はメーカー問わず青系のカラーをメインに据えた機種が多かったですね、流行色のようなものでしょうか。


左側面には音量キーとBixbyキー。

Bixbyキーを押すとBixby Homeという各種情報を一覧表示する機能を起動できるのですが、キーの配置としてはちょうど電源キーの向かいにあるのでやや誤爆しやすいです。
海外モデルではアップデートでこのキーを設定で無効化できるようになったようなので、新機能を拒絶するのは忍びないですが日本版でも行ってほしいところ。


上部にはnano SIM・microSDカードトレイ。例によって微妙にまっすぐ貼られていない「QUALCOMM 4G」シールは健在でした。


下部にはスピーカーとUSB Type-C端子、そしてイヤホンジャック。省略される機種も増えている中、有線でも使いたいイヤホンがある者としては嬉しい仕様です。


質感は申し分なく、デザインもシンプルで美しいと思います。
筐体に関して一番気に入っているポイントは持ちやすさで、5.8インチディスプレイというと慣れ親しんだ16:9の機種の感覚ではかなり大きそうに聞こえますが、実際のところ18.5:9の5.8インチとなると横幅はかなり抑えられ(16:9の)5インチ台前半の機種に近いサイズ感となっています。

縦はさすがに長いので片手操作が厳しい場面もありますが、横幅が70mmを切っているというだけでも文字入力をはじめとして扱いやすい場面は多く、昨今は高性能かつコンパクトな機種が減って悩んでいた筆者としては「こんな変化球で希望に沿う物が出てくるとは!」と意表を突かれるものでした。

スペック・動作


昨年同様、日本版のGalaxy S8はSnapdragon搭載モデルです。S7 edgeの時には日本などで発売されたSnapdragon 820版の動作が海外のExynos 8890版の動作と比べて明らかに劣るというようなことも話題になっており、私自身も日本版は所用で触る機会がそれなりにあったのですが他のSnapdragon 820搭載機との比較という意味でもあまりにも…という印象を受けました。

今年度のS8/S8+に関しては昨年ほど極端なハンデはなく、普通に使う分にはこれと言って動作に不満は出にくいでしょう。ただSnapdragon 835搭載機の中で考えると、動作に限って見れば特に良い部類ではないとも感じます。
最近のハイエンドモデルとしてはRAM 4GBは最低限のラインで、リッチな独自ソフトウェアのことも考慮するとそこはRAM 6GBのNote8が羨ましいところですね。

UI・機能



先に「Galaxy Feel(SC-04J)」を購入していたので体験済だったのですが、今年度のGalaxyシリーズのUIは従来よりも洗練された印象を受けます。
シンプルな美しいUIで、他社製のAndroid端末から乗り換えてもこれまでと比べると違和感が少ないのではないでしょうか。オンスクリーンキー化と同時にキーの左右入れ替えもできるようになった(Android標準の並びにできるようになった)というのもそう感じる理由の1つかもしれません。


ディスプレイの解像度は2,960×1,440(WQHD+)ですが擬似的に解像度を落とす設定があり、処理軽減・バッテリー消費の軽減が可能です。より大きなS8+やNote8では多少変わってくるのかもしれませんが、少なくともS8のサイズではWQHD+とFHD+での違いを通常利用ではあまり感じなかったので主にFHD+で使用しています。

有機ELの省電力性を活かして時刻などの情報をスリープ中も常時表示する「Always on Display」や、表示されていない部分も含めたページ全体を1枚に収めたスクリーンショットを保存できる「スクロールキャプチャ」などお馴染みの機能も便利ですが、やはりS8を購入して一番使っている新機能は「顔認証」です。


訴訟対策のモデルや特殊な機種を除けば大抵のGalaxyシリーズには画面下に物理的なホームボタンがあり、やがてそれに指紋センサーとしての役割も加わりすっかり定着していました。S8ではInfinity Displayという新たな武器を手に入れた代わりに、この辺りの使い勝手は大きく変わっています。

指紋センサーは背面のカメラ脇に移動し、縦長な本体形状のせいもあって正直届きにくいです。もしこの作りで従来通り生体認証が指紋認証のみであれば大ブーイングでしょうが、そこはしっかり考えられていて「顔認証」「虹彩認証」の2つが追加されています。
どちらも画面に顔を向けてロック解除するという意味では似たような使い方なので迷われる方もいるのではないかと思いますが、個人的には顔認証がおすすめです。
虹彩認証の場合はロック解除のために注視せねばならず、カメラ越しの映像を見ながら位置合わせをするのも面倒だと感じました。

それなりにAndroidを長く使っているユーザーからすれば「顔認証なんてICSの頃からあるじゃないか」などと言いたくもなるところですが、そのイメージは一旦捨てたほうが良いくらいにGalaxy S8の顔認証機能は隔世の感がある精度です。
画面をしっかり見る必要がないどころか多少斜めからでも認証できますし、さすがにマスクまでは無理でしたが眼鏡や帽子くらいであれば認証出来なくなることはないので、顔認証を使うための配慮をしながら生活する必要はありません。

S8のホームボタンは物理キーでこそ無くなったものの、画面内のホームボタンにあたる部分に感圧式のセンサーが入っているので、ホームボタンを押し込んで顔認証/虹彩認証をするという流れなら従来機でホームボタンを押して指紋認証をするのとそう変わらない感覚で使えるというのもよく練られていると思います。


ちなみに顔認証+虹彩認証の同時設定はできませんが、顔認証+指紋認証、あるいは虹彩認証+指紋認証の組み合わせであれば併用できます。
顔認証の弱点として周りの明るさが足りないとどうしても認識できないので、筆者の場合は顔認証をメインで使いつつ暗所での補助用に指紋認証も使っています。

カメラ


Galaxy S8のアウトカメラはハード的には昨年モデルとそう変わらないスペックですが、ソフトウェアの処理は多少変わっています。
先日S7 edgeユーザーの友人と会った際に少し撮り比べてみた限りではS8のほうが彩度の高い写りをするようでした。
カメラ好きとしての好みは置いておいて、一般的に受け入れられる写りというかSNS映えする写りはS8なのでしょう。そういった用途を重視してのチューニング変更かと思います。






オートで撮影した作例を数枚置いておきました。
夜景もよく撮れますし、接写では5枚目のように流行の疑似ボケではない自然なボケが適度に出るのも良いですね。

まとめ

ハイエンド機らしい基本性能や、防水防塵におサイフケータイ、よく撮れるカメラなどこの機種に求める物はそれぞれだと思いますが、やはり従来機種とS8以降の機種を明確に分けているのは「Infinity Display」に他ならないでしょう。上下左右が均等かつ操作性を損ねない程度に程良く削られた狭額縁設計と18.5:9の縦長ディスプレイには不思議な魅力があります。

正直なところ16:9オーバーの縦長ディスプレイを搭載する機種が出始めたことには懐疑的だったのですが、新時代の一歩でありながら脈々と受け継がれてきたフラッグシップの”S”の名を冠するこの機種の完成度には説得力がありました。

iPhone 8シリーズとiPhone Xにせよ、Mate 10とMate 10 Proにせよ、同様にディスプレイサイズの考え方を変え始めた他社はあれど、それぞれ多少の上下関係を付けてはいても近いレンジにオーセンティックな機種も置いて退路を残しているわけです。
ところがサムスンの場合は、Sシリーズを皮切りにもう1つの看板であるNoteシリーズまでも潔く18.5:9の機種だけで固めてしまいました。これには相当な自信が窺えると思いませんか。