7年ぶりの新作!Logicoolの親指トラックボール「MX ERGO」ファーストインプレッション

2018.02.21 PC・Mac・周辺機器 ライター:__agar

Logicoolが昨年発売した親指操作タイプのトラックボール「MX ERGO」を遅ればせながら購入したのでレビューします。

ロジクール、新トラックボール「MX ERGO」を発表

そもそもMX ERGOってどんな製品?という方は、お時間があれば上の記事をあわせてご覧ください。昨年の発表時に書いた記事です。


トラックボールというジャンル自体、現代では残念ながらマイナーなデバイスなので広く普及しているマウスと比べれば製品数は少ないのですが、トラックボールの中にも例えばケンジントンのExpart Mouseのような大きなボールが鎮座しているタイプや、今回ご紹介するMX ERGOのようにマウスに近い本体形状で親指部分にボールの付いたタイプ、あるいは同じLogicool製で言えばTM-150のような左右対称で人差し指や中指で操作するタイプなど使用感や長所の異なるいくつかのスタイルがあります。

私はこの中でも親指タイプのトラックボールが好きで、6年ほど前にまだM570tにリニューアルされる前のM570を購入して以来、Windowsで使うポインティングデバイスは親指トラックボールかThinkPadのトラックポイントのどちらかと決めています。そのM570という機種が長い間、耐久性などのいくつかの欠点はあれど親指トラックボール界の定番中の定番となっていたのですが、そのM570を作ったLogicoolが7年ぶりに出した新作ということで、このMX ERGOもその界隈では非常に注目されていた機種です。

開封・付属品


MX ERGOはその名の通り、Logicoolのハイエンドマウス”MX”シリーズに属する機種でもあります。久しぶりの新作というだけでなく、しかもハイエンド仕様とくればこれは期待が高まります。


パッケージにはマグネット式の蓋が付いていて、このように中身が見える梱包。


本体の他にはLogicool独自規格の無線接続を利用する場合に必要なUnifyingレシーバーと、本機種は充電式のワイヤレストラックボールなので充電用のmicro USBケーブルが付属しています。

外観


M570よりもやや大柄で背が丸まった形状になっていますが、ボタンやボールの位置関係はよく似ていて親指トラックボールとして違和感はないポジションです。

第一印象でM570との違いを最も感じたのは筐体の質感。いかにもプラスチック然とした……悪く言えば数百円の安物マウスのような質感だったM570と比べると、MX ERGOは手に吸い付くようなグリップ感のある塗装が施されていて、MXシリーズの一員らしい高級感があります。


右側を見ると下部に少し隙間が空いていますが、これは後述するギミックに関係したもの。


MX ERGOの底面には金属製のプレートがマグネットで固定されていて、プレートを固定する角度を2段階で変えられるようになっています。


まず、こちらが平らにセットした状態。


プレートの付け方を変えると、このように右側に約20°傾けられます。これによって長時間使用時の手首の負担を軽減できるという触れ込み。


各ボタンやホイールの操作感はさすがMXシリーズといったクオリティーで、うるさすぎない品のあるクリック、滑らかなホイール操作が可能です。
旧機種に無かった機能としては、ホイールを左右に倒して横スクロールができるようになったほか、2台のPCへの同時接続に対応したのでホイールの手前に切り替え用のボタンが配置されています。

ボールの手前、親指の付け根が当たる部分にはカーソルの移動速度を切り替えられるボタンが付いており、こちらもなかなか便利。
他社の機種で「薬指部分のボタンを押している間だけ減速」という仕様のものがありましたが、その仕組みだと繊細な操作をするために減速するのに1本の指を押しっぱなしにしておかなければいけないというのはなかなか厳しいところがあり個人的にはあまり使い道を見出せませんでした。MX ERGOの場合は作業中にいつでも押せる位置にあるボタンで変速できるというのが良いですね。画像編集など細かな操作をしたい際には重宝しそうです。


M570tとMX ERGOを並べてみると、サイズはこんな感じ。やや大きくなったこともそうですが、持った感じとしては大きさ以上に高さの違いが気になりました。平べったい形状のM570に比べるとMX ERGOはだいぶ背が高いので、人によってはホールドしづらく感じるかもしれません。



ボールは新たに作り起こされた灰色の物が入っていますが、M570/M570tの青色のボールとサイズ自体は変わらないようです。


MX ERGOにM570用の青いボールを取り付けたところです。一応交換は可能でしたが、表面の反射などが違うはずなので正規の物を使った方が良いでしょう。

軽く使ってみた感想


購入したばかりなので最終的な評価はまた次回としますが、軽く使ってみた感想を。

まず、ボタン類・ホイール類の操作感については文句無し。マウスの世界では当たり前でも親指トラックボールでこのようなしっかりとした高級感・品位を持った操作系を備える機種はほぼなく、やっと来たか、というところ。


角度調整機構のための金属プレート採用による重さと背の高さにはまだ馴染めずにいるのですが、そもそもラインナップが少なすぎる故に「M570の後継機種」という見方が出来てしまうものの、価格帯・機能ともにまったく別の新規ラインと見るほうが正しいのでしょうから、ここは”MXシリーズのトラックボール”のスタイルにユーザー側が慣れるしかないのかもしれません。

肝心のボールの操作感はおそらくM570とそう変わらない…と店頭展示品を触った限りでは感じたのですが、少しハズレを引いたかも?購入した個体はやや転がりが悪いと言いますか、操作時にカリカリと支持球以外の何かに当たっているような音・感触があるので、しばらく使いながら様子を見てみようと思います。

トラックボールとしての根幹が進化していないから新作トラックボールとして不満か?と言われれば決してそうではなく、むしろそこはM570で満足していたところでもあるので、その上にいくらM570が完成度の高いモデルと言えど時代を感じざるを得なかった様々な要素を積み上げて、現代的なハイエンド親指トラックボールという物を作ってくれたこと自体に価値があるのではないでしょうか。

減速機能やまともなホイール、Bluetooth接続など、M570からMX ERGOへの買い替えで得られる1つ1つの要素は近年登場したライバル機種たちが持っていたとはいえ、トラックボールとしての総合的な使い勝手ではM570の代わりにはならないなと諦めていたものです。MX ERGOが新たな定番となる可能性は十二分にあるでしょう。


今回の記事ではご紹介しませんでしたが、MX ERGOは操作のカスタマイズや「Logicool Flow」機能など、ソフトウェアも使い勝手が大きく向上しています。このあたりも含め、しばらく使ってみてのレビューをいずれ改めてお届けします。