超小型のエントリーDAP「Shanling M1」レビュー

2018.02.14 その他レビュー ライター:__agar

中国の音響機器メーカー・Shanling様より、同社のデジタルオーディオプレーヤー(以下、DAP)「Shanling M1」をご提供いただいたのでレビューします。


※本記事は、技術基準適合証明を取得していない端末の日本国内での利用を推奨するものではありません。

「Shanling M1」とは?


「Shanling M1」は、ShanlingのDAPラインナップの中では最も安価なエントリーモデル。

上位機種よりも携帯性に振った60mm×50mmのコンパクトなボディが特徴で、実売1万円程度の機種でありながら、オーディオプレイヤーとしての性能を大きく左右するDACには旭化成の「AK4452」を採用。アンプ部はMaximの「MAX97220」です。
DSD音源の再生に対応しておるほか、Bluetooth機能やUSB DAC機能も盛り込まれたコストパフォーマンスの高いモデルとなっています。

カラーバリエーションはブラック・ホワイト・ブルー・レッドの4色。

なお、今回のレビューに用いる個体は海外版ですが、日本でも伊藤屋国際がShanling製品の正規代理店となっており、技術基準適合証明を受けた国内正規品がAmazon.co.jpおよび家電量販店などで入手可能です。

開封・付属品


パッケージは黒地にShanling M1のシルエットが描かれたシンプルな紙箱。


フタを開けるとまずは本体が現れ、その下に付属品を収めた内箱が入っていました。


同梱品はご覧の通りです。本体とUSB Type-Cケーブル、microSDカードリーダー、リセットボタンを押すためのピン、保護フィルム、説明書・保証書などが入っています。


本機種は楽曲ファイルを保存するための内部ストレージを持たないため、microSDの利用が必須です。カードリーダーの無いPCを母艦としているユーザーへの配慮として、USB接続のmicroSDカードリーダーが付属しています。

本体側面にあるリセットボタンを押すためのピンは、イヤホンジャックに差し込んでおける形状となっています。もっとも、スマートフォンのSIMピンならともかく、DAPでその工夫をしてもピンの紛失は防げないのでは…?という気がしますが、ご愛嬌ということで。


保護フィルムは前面用・背面用が2枚ずつ付属しています。カードリーダーもそうですが、別途用意する必要がある物はmicroSDカード程度で付属品がかなり充実しており、すぐに使い始められるパッケージとなっているのは良いですね。

外観


とてもコンパクトなDAPで、正方形に近いフォルムもキュートで親しみやすさがあります。フロントパネルには端がラウンドした2.5Dガラスが使われています。


背面にはShanlingのロゴや認証マークなどの各種表記。国内正規品の場合はここに日本の技適マークも入っています。


ディスプレイのみが配置されたフロントパネルや今時なデザインを見ていると一瞬タッチ操作かと思ってしまいますが、物理ボタンでの操作です。

操作の中心となるのは本体右上のダイヤルで、回転させると音量調整やメニューの移動、下に押し込むと再生/一時停止や決定ボタンとして機能します。


右側面には電源キー。スリープ状態から画面を点灯させる際にもこちらを使います。


左側面には1つ前の画面に戻るためのリターンキーと、曲送りに使うキーが並んでいます。


底面にはmicroSDカードスロットとUSB Type-C端子、3.5mmステレオミニジャックを配置。


スマートフォン(iPhone 8)と並べてみるとこれくらいのサイズ感です。小ささが伝わりますでしょうか。

UI


日本でも発売されている機種なので特に驚くことではないのですが、海外版でも日本語設定が可能でした。


ディスプレイ品質は価格相応ですが、400×360のスクエアなディスプレイいっぱいにジャケットが表示される再生画面は、手のひらサイズのCDジャケットのミニチュアをそのまま持っているような感覚で気に入りました。


こちらは音量調整時の画面。ダイヤルを使って100段階での調整が可能です。

実際に手にするまでは、中華DAP特有の癖のあるUIや操作レスポンスの悪さといったものをある程度覚悟していたのですが、その不安は使い始めるとすぐに払拭されました。
操作レスポンスは良好ですし、ダイヤルを使った各種の選択操作も心地良いものです。UIの美しさという点でも、日本語フォントがちょっと格好悪いかな?というところはあれど、大元のデザイン自体は思っていた以上に洗練されていてなかなか悪くありません。

操作関連で1つ不満点を挙げるなら、これは小型化のために仕方のないことだと割り切れる程度の問題だと思っているのですが、音量調整・メニュー操作の両方にボリュームダイヤルを兼用する操作体系なので、再生画面を開いた状態かスリープ中でないと音量調整やダイヤルを押し込んでの一時停止ができないのはやや不便かも。

機能


上の写真のように、microSDカードに保存したファイルを有線のイヤホン・ヘッドホンで再生するのが基本の使い方ですが、Shanling M1は安価な機種ながら多機能で、様々な使い方ができるのも大きな特徴です。


Bluetooth 4.0対応で、ペアリングしたスマートフォンなどの音声出力をM1で受けて再生できます。
価格的にはちょっと良いBluetoothオーディオレシーバーとして買うにも悪くない安さですし、この用途をメインで考えるのもありかもしれません。なお、コーデックとしてはSBCおよびaptXに対応しています。


M1を送り側にしてのBluetooth接続も可能なので、ワイヤレスイヤホンと組み合わせた運用もできます。
この組み合わせではスマートフォンなどで視聴する場合と比べた音質面でのアドバンテージは仕組み上ありませんが、こういう使い方もできる、というのは利便性の面ではあっても悪くない機能ですね。

他にもUSBケーブルでPCに接続してUSB DAC代わりに使ったり、反対にデジタル出力でDACを繋いで母艦として使うこともできます。使い方を選ばない多機能さ故に、エントリー機でありながら使い方によってはもっとこだわりたい方にとっても便利に使える点はShanling M1の美点でしょう。

まとめ

ポータブルオーディオに少し興味が出てきて手始めに何か買ってみたいという方にとっても1台で様々な使い方ができるので良いでしょうし、いつものスマートフォンやPCよりワンランク上の音を楽しみたいエントリーユーザーはもちろん、コンパクトかつ約60gと軽量でデジタル出力の可能なポータブルヘッドホンアンプ用母艦という運用が可能なことも考えるともう少し高い要求レベルのユーザーにとっても違った形で利用価値があり、単なるエントリーモデルと片付けるにはもったいない機種だと感じました。