Mi MIX 2Sがまさかの100点超えでDxO Mark Mobileのランキングトップに!?…ではないよ、という話

2018.03.27 雑記 ライター:__agar

最近発表されたある機種の情報を見ていて、これは引っかかる表現だな、というより気付かない人が多いかも?と思ったある出来事についてお話ししたいと思います。



その機種というのは、中国のスマホメーカー・Xiaomiが発表した新型ファブレット「Mi MIX 2S」。

同シリーズの最大の特徴とも言えるベゼルレス設計をさらに突き詰めた画面占有率の高さは未来感に溢れていますし、独自開発の音声アシスタントを搭載するなど先進的な取り組みも見られます。スペック的にも最新の「Snapdragon 845」を搭載するなど文句無しのハイエンド仕様です。

Mi MIX 2S | Xiaomi


そんな入魂の1台ですから、もちろんカメラ性能だって一流です。SONYのイメージセンサー「IMX363」を搭載し、あらゆる端末のカメラ性能をテストしている「DxO Mark Mobile」での“拍照评分”――直訳すると写真の評価はなんと101点。

……そう、“写真の”評価なんですよ。

実は、最新のハイエンド端末が出るたびにランキングの更新が話題になったり、各社の宣伝文句に登場したりと、みなさんが目にする機会の多いいわゆる「DxO Markのスコア」とは指しているものが少し違うのです。

私もこのMi MIX 2Sの101点という自信ありげな表記を見て、「ついにXiaomiがまさかの1位か!やるな!」と一瞬思ってしまったのですが、実はそんなことはないのです。どういうことかは以下の記事を見てみると分かりやすいでしょう。

Xiaomi Mi MIX 2S: A Chinese gem

DxOが公開しているのは機種ごとの点数とそのランキングばかりではなく、それぞれの機種に対して上記のリンク先のように、作例と評価、詳細なスコアの内訳などを記録した記事を出しています。


こちらがDxOの付けた「Mi MIX 2S」のスコアの内訳です。発色やAF性能、ノイズなど様々な項目を点数化して、それらを総合した点数を各機種の最終的なスコアとしてランキングなどに使っているわけですが、Mi MIX 2Sのスコアは97点。

ではXiaomiの言っている101点というのは嘘なのか?というと、もちろんそんな大胆な嘘が通るはずもなく、これはこれで正しい見方なのです。

上の画像をもう1度ご覧いただくと、DxOの評価項目は大きく分けると写真と動画の2つのカテゴリで構成されているのがお分かりいただけるでしょうか。この、写真部門の総合スコアがXiaomiの言う101点なのです。確かにXiaomiの製品紹介には“写真の評価”という前置きでこの点数が書かれていますから、言っていることは間違ってはいません。

動画の評価が88点と低め(というには失礼なほどこちらも十分高いレベルではあるのですが)なので、そちらに足を引っ張られてトータルでは100点超えならず、といったところでしょうか。


点数が食い違っている謎は解けたところで、Mi MIX 2Sのカメラ性能は実際どれほど評価されているのでしょうか。他機種のスコアと見比べてみましょう。


まずは総合スコア(97点)を基準に見てみると、3月27日時点でのDxO Mark Mobileのランキングでは、Huaweiの「P20 Pro」と「P20」の2機種がいずれも総合スコア100点超えを果たし1位・2位にランクイン。以下、「Galaxy S9+」「Pixel 2」と続き、Mi MIX 2Sは「iPhone X」「Mate 10 Pro」とともに同率5位。

Xiaomiが写真のスコアだけを抜き出して宣伝しているそばから、真の100点超えが現れてしまったのはなんとも皮肉な話ではありますね……。


(出典:DxO Mark

写真スコアのみでも3桁に届いたのは凄い記録なのかというと、こちらも実はいくつか前例があります。総合スコアが3桁のP20 / P20 Proは除くとしても、Galaxy S9+(104点)、iPhone X(101点)、Mate 10 Pro(100点)などがそうです。

ただ、総合スコアでMi MIX 2Sより上位の評価を受けている機種の中でもPixel 2は写真スコア単体では99点となっているので、動画は撮らないよ、という方であれば総合順位の5位以上にMi MIX 2Sのカメラの価値は相対的に高まるかもしれません。

まとめ

言っていることが間違っているわけではないにせよ、今回のように意図的にスコアの一部を抜き出して良く見せよう、といった使い方をするメーカーが増えてきてしまったら、あまり鵜呑みにしない方が良いかもしれないなと感じる出来事でした。もっとも、そもそもDxO Mark Mobileの評価がその機種のカメラ性能のすべてではありませんし、結局のところ写真は見る人の感性で決まる部分の方が大きいので、あまり1点2点の評価の差にこだわるよりは、作例を見たり可能なら実際に撮ってみて納得の行く機種を探すのが一番ですよね。

話の流れ上、少し「Mi MIX 2Sのカメラ性能、盛ってるよね」と言わんばかりの厳しい内容になってしまいましたが、この件を差し引いても一流のカメラ性能を持った機種であることはほぼ間違いありません。

DxO Mark Mobileのスコアはどうしてもトップレベルの機種の宣伝文句として見かける機会が多いので90点台が当たり前のように見えてしまっているかもしれませんが、決して採点の甘い機関ではなく、実はミドルレンジの機種などでは50点を切るような評価だってあります。もっと言えば、一昔前に化け物レベルのカメラを積んだ機種として知られていた「Nokia 808 PureView」が今のDxO Mark Mobileの評価基準では何点かご存知ですか?なんとたったの61点です。

それだけ高度な世界で競い合っている現代のスマートフォンカメラの中で5本の指に入る評価なわけですから、妙な小細工をせずとも自信を持って97点で良いじゃないか、とお節介ながら思うのでした。