「FOSSIL Q EXPLORIST (FTW4000・メタルバンド)」レビュー

2018.03.20 モバイル ライター:__agar

少し前に、FOSSILのスマートウォッチ「FOSSIL Q EXPLORIST」を購入しました。しばらく使ってみた感想を実機の写真とともにお届けします。



FOSSILはアメリカ生まれのファッションブランドで、通常の腕時計も手がけているメーカー。Android Wear(当時)を採用したスマートウォッチを同社が売り出したのは2015年の「Q FOUNDER」からで、今でこそ「時計メーカーの作るスマートウォッチ」は増えてきていますが、比較的早い段階での参入でした。

当初より丸型ディスプレイ搭載の時計らしい外観にまとまったモデルを多数揃え、価格もスマートフォンメーカーなどが作る他のAndroid Wear搭載機と比べそう高いものではないということもあって一定の支持を受けており、現行の第3世代にあたるモデルまで、1年周期でモデルチェンジしつつ同社のラインナップの一角として定着しています。

2017年発売の現行モデルはケースサイズやデザインの異なる「Q EXPLORIST」と「Q VENTURE」の2機種。今回購入したのは前者のうち、ステンレススチール・メタルバンドのタイプ。型番で言えば「FTW4000」というものです。

サイズの違いやカラー、バンドや装飾などを見るとEXPLORISTがメンズ、VENTUREがレディース向けっぽい印象。ただしどちらにもあまり着用者を選ばないデザインのタイプもあり、スマートウォッチは通常の腕時計と比べるとどうしても大きさ・厚さが出てしまうということも考えると、あまりメンズ・レディースの枠にとらわれず許容できるサイズのモデルを選んで良いのではないでしょうか。

開封・付属品


箱を開けると、横向きに収められたスマートウォッチ本体が登場。よく見るとトレイが「Q」の形になっていて芸が細かいですね。


続いて、しっかりとした厚みのある説明書が登場。正直Wear OSはスマートフォンほど直感的とは言えない部分もまだまだあるので、スマートウォッチ未体験の人は目を通しておいた方が良いかもしれません。


オレンジ色の小箱の中には、USB経由の充電ケーブルが入っています。スマートフォンなしでスマートウォッチ、というケースは稀でしょうから心配ないかと思いますが、ACアダプタは別途必要ですので念のため。


このように本体の裏側にマグネットで貼り付けて充電します。

ちなみに、こちらのケーブルは単品でも購入可能。スマートウォッチの充電方法はメーカーによってバラバラで、対応にも明暗が分かれるところですが大事ですよね。

外観


まずはディスプレイを消灯した状態から。撮影前にガラスフィルムを貼り付けてしまいましたが、素の状態ではディスプレイ周囲の白い線(段差)はありませんのでご安心ください。


前世代にあたる第2世代の機種で言えば「Q MARSHAL」の後継機にあたる本機種。外見上の分かりやすい違いとしては、右側面に従来の竜頭状のボタンの上下にも操作ボタンが追加され、3ボタンとなっているという違いがあります。

OS自体は物理ボタンが1つあれば良い作りなので基本的な操作は従来機種と変わらず、新たに増えた残り2つのボタンには使用頻度の高い機能などを自由に割り当てておけるようになっています。


そしてもう1つの大きな違いが、ディスプレイが完全な円形となった点。第2世代まではセンサー配置などの都合で6時位置が欠けた形状で、これは「Moto 360」など他社を含めかつては丸型ディスプレイのスマートウォッチにはよく見られる仕様でした。

近年ではこの問題をクリアした機種が増えているのでそう目新しい改良ではないものの、スマートデバイスが本業ではないFOSSILがしっかり追従してきたことには驚き。第1世代から丸型ディスプレイ1本であったように、時計メーカーとしての腕時計らしいスマートウォッチ作りへのこだわりを感じました。


ウォッチフェイスはFOSSILオリジナルの物が多数用意されています。

筆者のお気に入りは上の写真で表示させている「Machine」というウォッチフェイス。一見普通の腕時計に見える自然さと、シンプルながら整ったデザインが気に入っています。

いくつかのウォッチフェイスの名前などを見ていて「何か元ネタがあるのかな?」と気になったので軽く調べて見ると、収録されているウォッチフェイスの中にはFOSSILがこれまでに発売した実在の腕時計の文字盤をモチーフとしているものもあり、ハードのデザインと相まってちゃんと時計らしく見える説得力があることにも納得。



公式画像ではあまり分からず購入前に店頭で手に取ってみて知りましたが、シルバーのケースおよびメタルバンドは側面やケース裏が表面とは少し違った光沢の強い仕上げになっているので、意外と派手だな、と感じる人もいるかも。

一度見てみるという意味でも、メタルバンドの場合は時計用の工具がないと長さの調整が難しいのでその場で依頼しやすいという意味でも、お近くに取扱店がもしあるのであれば足を運んでみたほうが良いかと思います。


着脱方法は一般的なメタルバンドの腕時計と同様。この他にレザーバンドのモデルもありますし、バンド幅22mmの各種時計用バンドへの交換も可能です。

使用感


スマートウォッチを使うのは約2年ぶり。筆者のこれまでのスマートウォッチ歴としては、まだAndroid Wearが世に出たばかりの2014年にSONYの「SmartWatch 3 SWR50」を購入。翌年の冬にASUSの「ZenWatch 2」を使い、その後はすっかりスマートウォッチというジャンルから離れていました。

そんなわけで、丸型ディスプレイの機種を使うのも「Android Wear 2.0」を使うのも初と、進化を感じる点は多々あったのですが、まず玄関口となるスマートフォンアプリでの初期設定。

スマートスピーカー用の管理アプリ「Google Home」のセットアップ画面の作り込みには驚きましたが、まさにそれに近い考え方がWearのアプリにも取り入れられていて、「スマートフォンとスマートウォッチをBluetoothでペアリングして……」だとか「この機種はスマートウォッチ単体でもWi-Fiが使えるから接続設定をしておこう」といった理解は必要なく、これまたスムーズに設定できます。


WearのUIそのものには、小さな画面による制約があるとは言え、スマートフォンの世界でのルールが通用しそうでしない独特のお作法について相変わらず説明不足な印象はあります。

しかし、丸型ディスプレイの機種ではなかなかしゃれたアニメーションが付くアプリ一覧画面をQ EXPLORISTの大きめで回しやすい竜頭状のダイヤルでスクロールさせている時など、操作していて心地良い場面もあり、この調子で洗練されていけば良いなと感じました。


iOS端末とペアリングしての利用は以前からサポートされていましたが、通知や音声検索などの基本的な機能は使えるもののアプリの追加ができず、フル活用するにはAndroid端末があったほうが望ましいという状況でした。Android Wear 2.0でスマートウォッチ上での「Playストア」の利用が可能になり、この辺りの状況はかなり改善されました。

アプリそのものが2年前と比べて劇的に増えたか、「これのためにスマートウォッチを買おう!」と言えるほど便利なキラーアプリが出現したかといえばそれほどの大きな変化は残念ながらありませんが、フィットネス系のアプリはかなり増えたほか、Facebook MessengerやTelegramといったメッセージングアプリも揃ってきています。ウォッチフェイスやそれを作成するためのアプリばかり……という状況はあまり変わっていません。


ただ、スマートフォン向けの「Googleアシスタント」機能やスマートスピーカー分野の活性化などによって、スマートウォッチにとっても非常に重要な音声認識関連の技術が大きく進歩したことは使い勝手に良い影響を与えています。

もっとも音声認識と検索のために数往復の通信が発生する都合上、スマートウォッチ上でGoogleアシスタントを使うより、スマートフォン側のGoogleアシスタントに「OK Google」と呼びかけた方が早いかもしれない、というもはやスマートフォンの進化においてスマートウォッチの持つ子機的な役割の一部がメリットを失いかけているところはありますが……これを言っては元も子もないですね。

時計としての本分に加えて、通知確認と音声コマンドでのGoogleアシスタントの利用、この3本柱だけでもアプリの充実を待たずとも魅力はあると思います。

これまでに使ったスマートウォッチの中には諸々の問題で「そもそも時計として時刻を見るのもあまり快適でない」というものもありましたが、Q EXPLORISTに関しては視認性はもちろん、腕の動きを検知した画面点灯のレスポンスも良いので違和感なく使えています。着け方や装着感、デザインなども時計らしいので、もし使っていくうちに特別スマートウォッチらしい使い方をしなくなってしまったとしてもそう悪い気はしないのではないでしょうか。

まとめ


Google陣営の現行スマートウォッチはウェアラブル向けSoCを採用している機種が多くスペックはほぼ横並びですし、スマートフォン用のAndroidのように各メーカーがUI全体に大幅に手を加えるということもあまりなく、機能面でもCASIOの「PROTREK Smart WSD-F20」などのように用途を絞り込んで特化させた機種を除けば大きな違いがある機種は少ないです。

となると、やはり選ぶ上で目が行くのはデザインの違い。その点においては、時計メーカーの作るスマートウォッチとしての説得力のあるデザインを、「TAG HEUER CONNECTED」などのような高級ブランドスマートウォッチまで手を伸ばさずとも得られるFOSSIL Qシリーズはかなりいい線を行っているのではないでしょうか。

個人的にも丸型スマートウォッチの中では以前から注目していたシリーズで前モデルのQ MARSHALの頃から気になっていたのですが、現行のQ EXPLORISTは欠けのない円形となったディスプレイや高級感のある3ボタン仕様が格好良く気に入りました。メタルバンドの場合は約170g(※コマを外した数によって上下するでしょう)とかなり重めなのが着けていてやや気になるので、しばらくしたらイメージチェンジも兼ねて市販のレザーバンドなどを物色して交換してみようかと思います。