日本未発売の円形ディスプレイ搭載モデル「Amazon Echo Spot」レビュー

2018.06.20 VR・AR・IoT ライター:__agar

Amazon Echoシリーズの日本未発売モデル、「Amazon Echo Spot」をアメリカから輸入したのでご紹介します。

「Echo Spot」とは


日本では昨年上陸したばかりのAmazonのスマートスピーカー「Echo」シリーズですが、海外、特に最初期から展開されている北米では、日本で発売されている「Echo」「Echo Plus」「Echo Dot」の3機種以外にも様々な機種が発売されています。

今回ご紹介する「Echo Spot」は、2.5インチの円形ディスプレイを搭載するモデル。7インチディスプレイを搭載する「Echo Show」に続く、2番目の画面付きEchoです。これらの機種は従来の「スマートスピーカー」というよりは、Google陣営も参入を表明している「スマートディスプレイ」という新たなカテゴリーの先駆けと言えるでしょう。

カラーはブラックとホワイトの2色で、Amazon.comでの価格は129.99ドルです。

ディスプレイ付きやカメラ付き、子ども用も?日本未発売の「Amazon Echo」シリーズまとめ

(追記)
日本版の予約開始が開始されました。詳細は以下の記事をご覧ください。

国内版「Echo Spot」が予約開始。7月26日発売、同時購入で2台目は半額に

パッケージ・付属品など



他のEchoシリーズと同様、機能の紹介や使える音声コマンドの例などが書かれた水色の紙箱に入っています。


パッケージ内容は、Echo Spot本体とACアダプタ、説明書。


付属のACアダプタは、12V/1.25Aの15W出力。よく見ると、アマゾンジャパン名義の菱形PSEマークも付いています。無印Echoに付属しているACアダプタは21W出力なのでEcho Spotとは別の物ですが、他に共通のACアダプタを採用している機器があるのか、それとも……?

外観


Echo Spotの筐体は、球体をカットしたような形状となっています。樹脂製で高級感があるわけではありませんが、サイズ感とも相まって、少しおしゃれな置き時計といった佇まいです。斜めにカットされているので、机などに置いた際に画面が見やすい角度になっているのも良いですね。


上部には、音量の+ボタン/-ボタンと、マイクミュートボタンが並んでいます。背面には、電源と音声出力用の端子があります。


底面には滑り止めがあり、その周囲にはスピーカーやマイクのための穴が開いています。滑り止めの部分に型番や認証情報などが書かれていて、その中には日本の技適マークもありました。


Echo Dotとのサイズ比較。シリーズ最小のEcho Dotよりは大きいですが、威圧感はなくコンパクトで、こちらも十分に置き場所を選ばず使えるサイズではないでしょうか、

セットアップ

Echoシリーズをはじめとして、スマートスピーカーでは、別途スマートフォンを用意して専用アプリから初期設定を行うのが一般的ですが、タッチ操作対応の画面が付いたスマートディスプレイである「Echo Spot」の場合は単体でセットアップできます。


初回の電源投入時は、まずは使用する言語を選択。2018年6月時点では、Echo Spotで選択できる言語は英語(US/UK)とドイツ語のみでした。

Echo Spotの発売後、早い段階で輸入した方の投稿などを見ると発売当初は日本語を選択できたものの、その後のアップデートで選択できなくなったようです。ただし、今でも設定できる方法が残されていないわけではありません。


言語を選んだ後は、Wi-Fi設定、Amazonアカウントの設定、タイムゾーンの設定へと進みます。


スマートフォンやタブレット端末のように、文字入力は画面上に表示されるソフトウェアキーボードで行います。

Amazonアカウントの設定についてですが、日本(Amazon.co.jp)のアカウントでも問題なくログインできます。ただし、Amazon.comのアカウントも持っていて両方に同じメールアドレスを登録している場合は、ログイン先としてAmazon.comが優先される仕様なので注意。この場合はどちらかの登録メールアドレスを変更しておきましょう。


初期設定が一通り終わると、Echo Spotの紹介ムービーが流れた後、通常の待受画面が表示されます。

UI・機能など


待機中のEcho Spotの画面には、時計や天気などの情報が表示されます。


時計のスタイルや背景は本体の設定メニューから選べるほか、スマートフォンのアプリから任意の画像を送信して壁紙にしたり、「Amazonプライム・フォト」に保存した写真をスライドショーとして表示することもできます。


画面上部から下向きにスワイプすると、ホーム画面や設定画面へ移動するボタン、画面輝度を調整できるバーなどが表示されます。ホーム画面もそうですが、既存の端末で言えばスマートウォッチに近いような操作体系ですね。


音量の調整は、音声コマンドまたは本体上部のボタンで行い、こちらも画面上に現在の音量を示すバーが表示されるので視覚的に確認できます。表示されている間はタッチ操作での調整も可能です。


基本的な使い方は他のEchoシリーズと同様で、音声コマンドで指示を出せば様々な情報を確認できます。少し違うのは、音声だけでの返答ではなく、画面表示も併用して教えてくれることです。

例えば明日の天気を聞いた場合なら、音声では明日の天気予報や気温を簡潔に答えると同時に、画面上では数日先までの天気予報やより詳細なデータを表示してくれます。注意を払わず聞き取れる程度のシンプルな内容なら耳で、込み入った内容なら目で確認できるというのが、単純なことですが普通のスマートスピーカーとは違った体験で快適です。


EchoシリーズではAmazonの商品を検索して注文することができますが、商品名は整ったものばかりではなく、Amazon内の検索アルゴリズムに適応するために冗長な名前が付いている商品だって少なくありません。このような場合、音声だけで商品を知るには、注意深く耳を傾ける時間がかかったり、あるいは結局理解できなかったりするかもしれませんが、画面表示もあればすぐに済む話です。

合成音声で聞き流すだけではスッと頭に入ってこない場面、あるいは音声だけで内容を把握するにはしっかり聞く必要がある場面での「最後まで聞くよりスマートフォンを取り出して調べた方が早い」といったもどかしさを解消するには、この不思議な球体のデバイスは非常に役立ちます。


スマートスピーカーが、ITリテラシーの決して高くないユーザーであっても利用しやすいデバイスとして広がりを見せているのは事実ですが、誰もが親しみやすいのは「声だけで操作できる」という部分であって、その返答までもが「音声だけ」であることにはメリットが少ないのではないかと考えます。むしろ、画面表示を主体とした従来のデバイスよりも、内容や状況によっては「聞き取れない」「最後まで確認するのに時間がかかる」といったデメリットが生じる可能性すらあります。

「スマートスピーカーに画面が付いた」と聞くと、どうもこのスマートディスプレイという新たなカテゴリーはスマートフォンやタブレットへの回帰なのではないか?と思ってしまいそうなところです。しかし実際には、音声操作という最大のメリットはそのままに、アウトプットの方法だけを「音声を主体としつつ、補助的に画面も利用する」というよりストレスのない形に改めたもので、むしろスマートスピーカー以上に親しみやすいデバイスなのではないでしょうか。


また、声だけで操作できることはスマートスピーカーのメリットだと書きましたが、一方で、だからといってすべての操作を声で行うのはかえって面倒に感じるユーザーも出てくるでしょう。そういった意味では、Echo Spotのようなスタイルなら時刻や音量の確認、音楽再生中の操作など、声に出すのは面倒なちょっとしたことは画面表示とタッチ操作で補えるので無駄がありません。

まとめ


「Echo Spot」は、先行して登場した最初の画面付きモデル「Echo Show」のように大画面でプライムビデオを楽しむのに適したデバイスというわけではありませんし(機能自体はあり、アメリカでは提供されています)、目玉機能のビデオ通話も日本ではまだ利用できません。言ってしまえば、現状のEcho Spotを日本に持ち込んでも、出来ることは既存機種とさほど変わらないのです。

しかし、ただ「ディスプレイとタッチパネルが付いたスマートスピーカー」というだけであっても、その使い勝手には大きな差があります。

「声だけで操作できるユーザーフレンドリーな未来の情報端末」としてのスマートスピーカー像がある一方で、実際にそれらを使ってみると「なんでも声に出して操作しないといけない」あるいは「長々と合成音声を聞いて理解しなければならない」といった、かえって旧来の端末の方が楽だった部分のギャップを感じる方、もう一歩踏み込んで言えば、それに馴染めずスマートスピーカーは生活の一部として定着しなかったという方も少なからずいると思います。

今後増えてきそうな「スマートディスプレイ」というジャンルのデバイスは、スマートスピーカーと近い理想を目指しつつも、欠けていた部分、捨てるべきでなかった部分を補ったもう1つの答えになるのではないかなと、「Echo Spot」を使ってみて感じました。


現状のEcho Spotに言えることとしては、愛嬌のあるハードは愛着がわきますし、画面があるからと欲張らずにあくまで音声アシスタントを軸にした端末として、それを補助する役割に徹したシンプルな作りとなっているソフトも悪くありません。標準の天気予報機能が良い例ですが、音声で聞かせる内容と画面で見せる内容の配分が上手な機能が増えてくれば、かなり快適に使えそうです。

サードパーティーのAlexaスキルも含めて、サービス側の対応が進んでこそEcho Spotの真価が発揮されると思うので、日本でも早く発売されてほしいところですね。と、締めようと思っていたのですが、ちょうどこの記事を公開した日に国内版の予約が始まったようです。嬉しいやら悲しいやら……