「XF 23mm F2 R WR」を買いました

2018.07.11 カメラ ライター:__agar

富士フイルムのXマウント用単焦点レンズ「XF 23mm F2 R WR」を先日購入して、同社のミラーレス一眼「X-H1」との組み合わせで実際にしばらく使ってみたので、ざっくりとレビューしておきたいと思います。

開封


「XF 23mm F2 R WR」は、焦点距離23mm(35mm判換算で35mm相当の画角)の単焦点レンズです。開放F値は2.0。「XF 35mm F2 R WR」や「XF 50mm F2 R WR」などと並ぶ、コンパクトなF2単焦点シリーズの1つです。

パッケージのデザインは他のXマウントレンズと同様、黒地に灰色の文字で焦点距離が書かれたもの。レンズ自体が小柄な分、ズームレンズなどと比べると箱は小さめでした。


パッケージ内容の一覧です。レンズのほかには、フード、ポート、説明書(35mm F2と共通)、保証書などが同梱されています。


このレンズにはプラスチック製のフードが付属しているのですが、付属品とは別に「LH-XF35-2」という純正オプション品の設定があります。今回はそちらも購入してみたので、後ほど付属フードとの違いを含めてご紹介します。

外観


先述のように、「XF 23mm F2 R WR」はコンパクトさが信条のF2単焦点シリーズの一員です。Xマウントには同焦点距離のレンズとして、より明るい「XF 23mm F1.4 R」というレンズがあります。重量で言えば、F2は180g、F1.4は300gと決して小さくない差があります。

操作リングは、フォーカスと絞りの2つ。絞りリングを最小側までいっぱいに回すと(赤い“A”の位置に合わせると)、オートに設定されます。フィルター径は43mmと、APS-C用のレンズとしては小さめです。


また、他のF2単焦点もそうですが、レンズの先端にかけて段々と絞り込まれたコンパクトな形状も特徴的。EVFの機種で使う分には単に小さくて軽いというのがメリットとなる設計ですが、本領を発揮するのは光学ファインダーを備えるX-Pro系の機種で使う場合です。レンジファインダー特有の「レンズが視界に被ってしまう」という問題が起きにくく、構図を取る妨げにならない扱いやすいレンズ形状といえます。

付属フードと「LH-XF35-2」を比較


23mm F2には、付属のフジツボ型のプラスチックフードと、35mm F2と共通の別売りメタルフード「LH-XF35-2」という2種類のレンズフードが純正品として用意されています。


まずは付属フードを取り付けた状態から。感じ方はそれぞれですが、お世辞にもかっこいいとは言えないなと個人的には思います。ルックスもそうですが、遮光性もあまり期待できそうな形状ではありません。あくまで衝突による破損を最低限防ぐ程度の、バンパー的な役目のフードといったところでしょうか。


別売フードよりもコンパクトなのは付属フードのメリットです。ただ、レンズキャップが通りそうで通らないサイズなので、キャップ分は収納時の長さが伸びてしまいます。


続いて、別売りのメタルフード。レンズのカラーバリエーションに合わせて、ブラックとシルバーの2色があります。


定価で7300円(税別)というだけあって、質感は立派。クラシックなデザインが雰囲気に良く合っています。


後方から見ると、フードを支えるアームが、レンズの真上ではなくやや右側に傾けて配置されているのが確認できます。おそらくこれもレンズ自体の形状と同様に、レンジファインダーの視界を妨げないための工夫なのでしょう。アクセサリーに至るまで、一貫してX-Pro系の最良のパートナーとして設計されたレンズであることが改めて感じられます。


LH-XF35-2を取り付けると、やや頭でっかちな印象はあるものの、フード無しや付属フードを装着した状態と比べるとボリュームが出ます。レンジファインダーライクなProシリーズやEシリーズのボディに似合うアイテムであると同時に、TシリーズやHシリーズのような一眼レフライクな形状のボディと組み合わせる際にも、レンズが小さすぎるが故のアンバランスさを打ち消すのに効果的かと思います。



参考までに、X-H1に23mm F2とLH-XF35-2を取り付けた状態がこちらです。純正ストラップとレンズプロテクター(EXUS)込みで、重量は約930g。重心は完全にボディ側にある状態で、元々のX-H1のグリップの良さもあってかなり軽く感じられました。

作例

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使用感

富士フイルムの作る現行の23mmのレンズとしては、このXF 23mm F2と、先に発売されたXF 23mm F1.4、そしてレンズ一体型のX100Fに搭載されている23mm F2という3つのレンズがあります。

単純にラインナップを見れば、XF 23mm F2は「XF 23mm F1.4よりも安価でコンパクトな普及モデル」となりそうなところですが、この2本は発売時期に3年の開きがあること、そして何より、すべてのレンズに全力投球な富士フイルムのやることですから、単純に上位/下位といった関係では語れない違いがあるのです。

XF 23mm F1.4は、Xマウント初期の名作である「XF 35mm F1.4 R」の光学系をベースとしています。35mm同士の比較では「35mm F1.4は柔らかな写り、35mm F2は優等生」といった評価が多いようですが、23mmでは不思議と意見が分かれています。F1.4シリーズ・F2シリーズともに各シリーズ内でコンセプトが統一されており、設計的にも共通する点が少なくないはずなので疑問だったのですが、実際に使ってみると、どこを見るかで評価が分かれそうだなと理解できました。

中心部の画質で言えばやはり23mm F2は開放に近い絞り値からシャープで、35mm F2と同様の優等生らしさがあります。しかしコンパクトな広角レンズゆえの難しさか、周辺部の画質や光量落ちといった要素を細かく見ていくと、35mmの場合よりも23mmの場合の方が、光学性能においてのF1.4シリーズの優位性がやや大きいようなのです。ただ、23mm F1.4の半額程度であるこのレンズには相応の割り切りや補正に頼る部分はあるものの、総じて言えば優秀なレンズには違いありません。35mm F2を好んで使っている人なら、画角違いのレンズとして買って損はないでしょう。

また、単純な比較はできないものの、スペック的には一見似ていそうなX100シリーズの“23mm F2”も、XF 23mm F2とはまるで違うレンズです。X100シリーズのレンズは開放での柔らかな描写が印象的な、言い方を変えれば“クセ玉”とも言えそうな味わい深いレンズです。こちらとの比較なら、XF 23mm F2は現代的なキレのある写りをするレンズという評価になるのも頷けます。

つまるところ、描写に重きを置いて検討するならば、スペックだけにとらわれず好みと自分の目を信じて選ぶべきラインナップとなっています。個人的には……求めている物はこの中で言えばX100Fのレンズかもしれませんね。

「そんなの難しすぎるよ」という方、あるいはまだ自分のレンズの好みが見えてきていない段階であれば、XF 23mm F2を選ぶのが無難かと思います。価格相応かそれ以上の描写が期待できるレンズだから損はないということもありますし、画質ではなく機能性に目を移してみると、3年ほど後発のF2のほうがF1.4よりも優れている点が多々あるからです。こればかりは、価格差やラインナップ上の上下関係を明らかに超えています。

まず、これはボディ側も対応している必要がありますが、XF 23mm F2は防滴防塵仕様のレンズです。決して雨の日や雪の日にもバリバリ写真を撮るわけではなくとも、安心感には繋がるでしょう。そして、AF速度は雲泥の差。実用性重視ならばやはりこちらです。

ルックス的にはPro系のボディに一番似合うレンズとはいえ、どのボディを使っている人にも軽く持ち出せるカメラが欲しい時はあるでしょうし、そんな時のお供には良いレンズです。X-T2やX-H1などのボディで使うなら、別売りのメタルフード「LH-XF35-2」の購入もおすすめします。少々お高いアクセサリーなので「写りや使い勝手に直結しないのに……」と思われるかもしれませんが、やはり格好良いカメラを使うのはモチベーションにも繋がるはずです。