高崎駅周辺の無料コミュニティサイクル「高チャリ」を使ってみた

2018.09.07 乗り物 ライター:__agar

群馬県の高崎駅周辺で運用されているコミュニティサイクル「高チャリ」を利用してみました。どんなサービスなのか、使ってみた感想などをお伝えします。

「高チャリ」とは?


「高チャリ」(高崎まちなかコミュニティサイクル)は、高崎市と高崎商工会議所が中心となって運営しているコミュニティサイクルです。営業時間は午前9時から午後10時まで。

高崎のチャリだから略して高チャリ、決して高い自転車という意味ではありません。それどころか、なんと利用料金は無料。会員登録なども不要で、高崎駅周辺の市街地を手軽に移動できる市民の足となっています。

高チャリのエリア


(2018年9月時点。公式サイトより)

高チャリを利用できるエリアは、高崎駅西口を起点に、デパートや銀行、市役所、図書館などを含む駅前の市街地です。ポートは16ヶ所に設置されており、場所によっては1ブロックごとに設置されているところもある高密度な配置。短距離でも気軽に借りて目的地まで無駄なく移動できます。

シェアサイクルでは「ポートで自転車を借りて、またポートに返す」という原則さえ守っていれば厳密なサービスエリアは定められていないサービスも少なくありませんが、高チャリの場合はエリアの端がしっかり定められています。

やはり無料のサービスなので、おそらくこういったルールが無いと「駅から自宅まで乗って帰る→翌朝に駅まで乗って返却」というような使い方もされかねず、車両不足でシステムが破綻してしまいそうです。あえてエリアを絞ることで私物化や想定外の目的での長距離利用などを抑止しながら、必要な人に行き渡りやすくしているのでしょう。


今回は、駅前のポートで借りて市街地をぐるっと一周回ってみた後、駅近くのデパート「高崎タカシマヤ」のポートで返却。途中でいくつか他のポートの前も通りましたが、自転車が出払っているポートも見かけ、便利な移動手段としてそこそこ浸透しているのではないかなと感じました。

高チャリの利用方法


高チャリのポートには、1台ずつ自転車を固定できるラックが並んでいます。利用にあたって、会員登録や車載機器の複雑な操作は必要ありません。


ポートと自転車はチェーンで繋がれていて、スーパーのショッピングカートなどで時々見かけるような、100円玉を入れるとロックが解除される仕組みになっています。返却時には元のように自転車をポートに繋ぐと100円玉が戻ってきます。

見慣れた仕組みで使い方もシンプル、自転車にこれを使うというのはあまり想像したことがありませんでしたが、誰にでも使い方が分かりやすいですし良い仕組みだと思います。正しく返却しないと100円取られてしまうことになるので、「無料だからその辺に置いておけばいいや」というようなマナーの低下もある程度抑制できそうですよね(下手したら“放置自転車を勝手に返してくれる人”も出そうですし……)。

とはいえ、開始当初はなかなか返却されないといった苦労はやはりあったようで、うまく回っているように見えるのは地道な回収や啓蒙活動によるところも大きいのかもしれません(関連記事)。

どんな自転車?


貸し出される自転車は、電動アシストや変速機は付いていないシンプルなシティサイクルです。エリア的に長距離を乗ることはまずないでしょうし、平坦な場所なので十分快適に移動できました。後輪のカバーには広告が付いていて、おそらく市の財源+広告費でコストを賄っているのでしょう。昼間の乗車だったので効果は体感できませんでしたが、ポップな水玉模様は視認性向上のための反射材を兼ねているのだとか。

月に1回はサービスを休止して定期点検を行っているとのことで、無料だからといってメンテナンス状態に不安は感じませんでした。正直、白い車体に黄色いプレートが目印の某有料サービスよりは、こちらの方がピカピカでちゃんと整備されているような……これが無料で使えるというのはちょっと羨ましいですね。

まとめ

営利団体が利潤を目的として運営するには課題も多いコミュニティサイクル。高チャリのように行政が中心となって社会福祉の一環として無料で提供するというのも1つの結論なのかもしれません。エリア設計や貸し出しの仕組みを見ると、「無料だけれど、悪用させずに必要な人に届ける」「簡単に借りられるけれど、しっかり返してもらう」といった要素のバランスをシンプルながらうまく取っていて、実は結構よく練られたシステムなのではないかと思います。

最終的にはマナーに頼る部分が大きいのでどこでもこのように行くかと言えばなかなか難しいと思いますが、利用者側からすれば理想的です。また、有料のコミュニティサイクルは大抵スマートフォンの利用が前提になってしまうことを考えると、他方式では手を出しにくかった層にもしっかり浸透しているのではないでしょうか。