今更ですが……SoftBank版「HUAWEI Mate 10 Pro」をレビュー

2018.10.24 モバイル ライター:__agar

この記事を準備している間に後継となる「Mate 20」シリーズが海外発表されてしまったのでやや今更感がありますが、最近、サブ機としてファーウェイの「Mate 10 Pro」を使っていました。一通り使ってみた感想も含め、振り返っておきたいと思います。

発売自体が驚きだったSoftBank版


日本でのMate 10 Proの発売は、SIMフリー版が2017年12月、SoftBank版が2018年5月でした。SoftBank向けのファーウェイ製スマートフォン自体が久しぶりであったことに加えて、まさかのハイエンドモデルということで話題に。

同時期には、docomoからは5年ぶりのファーウェイ製スマートフォンとなる「HUAWEI P20 Pro HW-01K」、auからは春モデルのnova 2に続いての投入となるミドルレンジモデル「HUAWEI P20 lite」が発表され、SIMフリー市場で日本での勢力を強めてきたファーウェイが、キャリア向けの機種でも活発な動きを見せたことが注目を集めたシーズンでした。

そんな注目機種の1つだったSoftBank版のMate 10 Proですが、基本的にはSIMフリー版とほぼ同等です。言ってしまえば、docomo版のP20 ProのようにFeliCaなどの日本向けの機能が追加されたりといった手の込んだ変更は加えられていません。違いを挙げるとすればデュアルSIMからシングルSIMに変更されたことや、一部プリインストールアプリなどのソフトウェアの細かな違いがあります。

外装に限って言えば、キャリアロゴなどの入らない海外版やSIMフリー版と同じ姿で発売されること自体は近年のSoftBankのAndroidスマートフォンでは珍しくありません。しかし、SIMフリーで先に発売された機種が半年遅れで、ほぼそのままキャリア向けとして登場(それもハイエンドで)という流れはちょっとイレギュラーですね。

パッケージ・付属品


パッケージはSIMフリー版と同じ正方形の箱。Pシリーズは白、Mateシリーズは黒なのですね。


箱を開けるとまずは本体が現れます。保護フィルムがあらかじめ貼られていて、表面のシートを1枚剥がせばそのまま使えます。


付属品も変わりませんが、SIMフリー市場では珍しくなくとも昨今のキャリア向け端末としては手厚い内容なのではないでしょうか。イヤホン、USBケーブル、ACアダプタ、TPU製の保護ケースなどが付属しています。

外観


まずは前面のデザインをチェック。ノッチやスライド式カメラなどの裏技に頼らない、今見れば“普通のスマホ”っぽい見た目ですが、その中では画面占有率は比較的高め。


カラーバリエーションはミッドナイトブルーとチタニウムグレーの2色。写真の端末はチタニウムグレーです。光沢の強い仕上げは好き嫌いが分かれるところかと思いますが、立体的なガラスパネルと滑らかなフォルムの金属製フレームを組み合わせた構成は、最近のハイエンド機らしい作りかと思います。


カメラは、カラーセンサーとモノクロセンサーを組み合わせた「Leicaダブルレンズカメラ」。カメラ周りだけ帯状に色合いを変えてあり、デザイン上のアクセントになっています。


レンズ部分はやや飛び出しています。


右側面には音量キーと電源キー。


左側面にはSIMカードスロット。


先述の通り、ソフトバンク版はシングルSIM仕様です。


上部にはリモコン機能のための赤外線ポートがあります。docomo版のP20 Proではハード的には搭載されていながらソフトウェアで無効になってしまっている機能ですが、SoftBankのMate 10 Proは「スマートリモコン」アプリがしっかり入っていてSIMフリー版と同様に利用できます。


下部にはUSB Type-C端子とスピーカー。イヤホンジャックはありません。

スペック・動作

Mate 10 Proのスペック表

SoCKirin 970 2.36GHz+1.8GHz オクタコア
RAM6GB
ROM128GB
画面サイズ6.0インチ
画面解像度2,160×1,080(FHD+)
バッテリー4000mAh
OSAndroid 8.0
アウトカメラ約1,200万画素(カラー)+約2,000万画素(モノクロ)
インカメラ約800万画素
サイズ約154×75×7.9mm
重量約178g
カラーミッドナイトブルー / チタニウムグレー

SoCはP20 Pro/P20/nova 3などと同じ「Kirin 970」。SoftBank版の発売時期的にはSnapdragon 845搭載機と並んで販売されていることを考えると、単純な処理性能と価格のバランス的にはやや物足りないところ。ただ、RAMが6GBと多めであったり、バッテリー容量が大きめだったりと、優先する要素によっては必ずしもスペック的に魅力がないというわけではありません。

4000mAhの大容量バッテリーを搭載していることに加えて、大画面の割には画面解像度が特別高いわけではないことも影響してか、電池持ちに関してはとても好印象でした。上の表には入れていませんが、一応キャリア版ではあるものの対応バンドはSIMフリー版そのまま。SIMロック解除後の使い勝手を考えると、あまり他にはない都合の良い機種です。

参考までに、性能指標のひとつとしてベンチマークアプリでの計測結果を以下に添えておきます。


(Antutu Benchmark v7.1.0で計測)

ソフトウェア


OSはAndroid 8.0、独自UI「EMUI」のバージョンも8.0。過去にレビューした「HUAWEI P20」など、同世代の他機種と基本的には同じなので詳しい紹介は割愛します。


以前のEMUIと比べると癖は減ったかなと感じますが、AOSPに近いUIのシンプルなAndroid端末に慣れていると最初は少し慣れが必要かもしれませんね。


Mate 10 ProやP20 Proなど、有機ELを採用しているモデルのみに搭載されている「画面の色を暗くする」機能。要するにダークテーマです。上のような設定画面はもちろん、スクリーンショット撮影時のポップアップなど細かな部分まで暗めの配色に一括変更でき、なかなか良い雰囲気です。


SoftBankのプリインストールアプリは多少ありますが、消せない物、無効にできない物はほとんどありません。他キャリア向けのモデルと比べれば気にならないレベルかと思います。

カメラ


PシリーズやMateシリーズのフラッグシップモデルに採用されてきた「Leicaダブルレンズカメラ」。P20 Proでは望遠カメラを追加したトリプルレンズカメラに移行しましたが、カラーセンサー+モノクロセンサーの役割分担によって高画質を追求するという部分ではダブルレンズカメラの機種でも既に完成されています。


P20などの他機種も似た方向性ですが、どちらかといえばSNSでウケそうな強調された色合いになることが多い傾向です。


もちろんモノクロ側のカメラ単体でも撮影でき、カラー画像からの後処理とは一味違う本格的なモノクロ撮影が楽しめることも好きな人にとっては嬉しいポイントでしょう。Mate 20シリーズではカメラの構成は少し変わってしまいましたね。


P20/P20 Proの登場時、通常なら手持ちでは困難なほどの長秒露光ができると話題になった夜間モード。発売後のアップデートでMate 10 Proにも追加されています。実際にはもちろん単純な長秒露光ではなく、おそらく複数回に分けた撮影と合成処理によって実現していると思われますが、その威力は抜群。仕上がりの好みは置いておいて、暗所でもなぜか手持ちで安定して撮れてしまう快感は確かにあります。

まとめ


Mate 10 Proをしばらく使ってみて、実質1年前の機種ということは置いておいても、電池持ちやカメラを重視するなら十分良いと感じました。付け加えるなら、画面サイズから想像するより扱いやすい大きさと形状であることや、今ではかえって貴重になりつつある“ノッチ無し”の高性能機であることも美点かと思います。価格もこなれてきた今だからこそ、10万円クラスの最新ハイエンドスマホに手を出す層以外にも選択肢に入ってくるのではないでしょうか。