「OPPO Find X」レビュー。全画面に未来を感じるフラッグシップモデル

2018.11.19 モバイル ライター:__agar

OPPOのフラッグシップモデル「Find X」を、1週間ほど前に使い始めました。「R11s」での日本市場参入から1年も経たないうちに、意欲的な機能を盛り込んだ高価なフラッグシップモデルをSIMフリーで出してくるというOPPOの勢いには驚きですが、果たしてどんな機種なのか。実際に使ってみた感想も交えて、ご紹介したいと思います。

「Find X」とは?


「Find X」は、中国のスマートフォンメーカー・OPPOのフラッグシップモデル。最大の特徴は、画面占有率が93.8%に及ぶベゼルレス設計の「パノラミックアークスクリーン」。そして、これを実現するためのフロントカメラや顔認証用のデバイスなどをフロントパネルから排除、リアカメラとともにスライド式のユニットに収めた「ステルス3Dカメラ」というユニークな構造も特徴です。

普及の進む指紋センサーは搭載しませんが、iPhone Xなどで採用されているようなドットプロジェクターと赤外線カメラによる高度な顔認証が可能。また、「カメラフォン」メーカーを自負するOPPOだけあってカメラ性能も重視、AIによるシーン検出機能などを備えた光学式手ぶれ補正付きのデュアルカメラを搭載しています。

基本性能の面でも、Snapdragon 845にRAM 8GBというハイエンド仕様。「R15 Pro」で話題となったFeliCa搭載などの込み入ったローカライズは施されていませんが、初上陸のR11sからしっかりと対応バンドを揃えてきていたOPPOらしく、Find Xも国内主要キャリアの使用バンドをほぼ網羅した仕様となっています。日本で投入されているモデルの型番は「CPH1875」、基本的にはグローバル版の上位モデル(Super VOOC対応モデル)と同等です。

パッケージ・付属品


パッケージはRシリーズの白地のものとは異なり、少しおしゃれな雰囲気。


Find X本体のほかに、ケース、イヤホン、USB Type-Cケーブル、ACアダプタ、イヤホン変換ケーブル、SIMピン、クリーニングクロス、クイックガイドが同梱されています。


付属のケースは、ややスモークのかかったハードタイプのケース。カメラ周りの可動部を空けた形状になっています。

あのスライド式カメラもしっかり保護できる「Find X」用ケースを試してみた

Find Xのケース事情については別記事でも触れているのでここでは割愛します。自慢のカメラ部分をしっかり保護できるケースも種類は少ないもののいくつかあるので、検討してみてはいかがでしょうか。

外観


前面からフロントカメラなどを無くし、ほぼ全面にディスプレイを広げた現時点で考えうる極限のベゼルレス仕様は圧巻。月並みな表現ですが、まるで画面だけをそのまま持っているかのような感覚です。


右は、私が普段愛用している「Galaxy S9」。最近のハイエンドスマートフォンはほとんどが狭額縁設計ですが、それでもなおFind Xは頭一つ抜けたインパクトがありますね。


では、前面から無くなったカメラやセンサー類はどこに行ってしまったのかというと、端末上部に電動スライド式のユニットがあり、必要な時だけせり出して来るようになっています。

「OPPO Find X」のスライド式カメラに関するあれこれ

スライド式カメラに関する疑問は別記事で検証しているので、興味のある方はこちらもぜひあわせてご覧ください。


前面、背面とも3Dガラスを採用しており、滑らかなフォルムに仕上がっています。フレーム部分が自然な形で薄くなっているので、数値上の大きさから想像するよりはかなり持ちやすいです。


背面パネルは中央付近が黒に近く、端のほうは鮮やかな色へと変化するグラデーションがかかっていて美しい仕上がりです。


ボタンなどの配置をチェックしてみましょう。まず、右側面には電源キー。


左側面には音量キー。


上部にはセカンドマイクと思われる穴が空いています。


下部には左から、スピーカー、マイク、USB Type-C端子、SIMカードスロット。SIMカードは、トレイの表裏にnano SIMを1枚ずつセットできるようになっています。

スペック・動作

OPPO Find Xのスペック表

SoCSnapdragon 845 2.8GHz+1.7GHz オクタコア
RAM8GB
ROM256GB
画面サイズ6.4インチ
画面解像度2,340×1,080(FHD+)
バッテリー3,400mAh
OSAndroid 8.1(ColorOS 5.1)
アウトカメラ約2,000万画素+約1,600万画素
インカメラ約2,500万画素
LTEバンドBand 1/2/3/4/5/7/8/12/13/17/
18/19/20/25/26/28/29/32/34/
38/39/40/41/66
サイズ約156.7×74.2×9.6mm
重量約186g
カラーワインレッド / サイレントブルー

Snapdragon 845に8GBの大容量RAMという組み合わせで、ハイエンド機らしいスペック。処理性能は申し分ありません。スペック上で特徴的な部分をいくつか抜き出してみると、まずディスプレイの解像度は2,340×1,080で、アスペクト比にすると19.5:9とAndroidスマートフォンの中ではかなり縦長な部類です。カメラは背面がデュアルカメラ、前面がシングルカメラですが、インカメラの方が画素数の高いセンサーを使っている辺りはセルフィーにも力を入れていることが伺えます。

バッテリー容量は3,400mAh。スペックが高く画面も大きめなのでこの容量で特別長く持つという印象は受けませんでしたが、実用上困らない平均的なレベルの電池持ちかと思います。ただ、OPPO独自の急速充電技術「VOOC」を発展させた「Super VOOC」に対応しているので、付属充電器との組み合わせではかなり充電が速いです。スペック上は0%から約35分でフル充電できるというほどのもので、うっかり充電を忘れてしまった日も朝出かける前にフル充電できてしまうというのはかなり便利ですね。

参考までに、性能指標のひとつとしてベンチマークアプリでの計測結果を以下に添えておきます。

(Antutu Benchmark v7.1.1で計測)

ソフトウェア・機能


Find Xのソフトウェアは、Android 8.1をベースにOPPO独自のカスタマイズを施した「ColorOS 5.1」。近日中に、Androidバージョンはそのままながら独自部分を更新したColorOS 5.2へのアップデートを予定しているとのことです。

世界シェア4位のスマホメーカーの実力は?「OPPO R11s」レビュー

春にOPPOの日本第1弾「R11s」を試用させていただいたのですが、この時の印象は「妙にiOSライクで、クセの強いソフトウェアだな……」というものでした。R11sのColorOS 3.2と比べると、Find Xに搭載されているバージョンの新しいColorOSは少し使いやすくなったかな、と感じました。


画面下から出てくるコントロールパネルは廃止され、通常のAndroidのように通知パネルと統合されました。ただ、通知をスワイプ1回で軽く消せない仕様は変わらず。このほか、開発者オプションを常時ONにしておくことはできない(正確には通知の常駐を気にしなければ出来ますが)ことや、初期状態ではパスワード入力はQWERTY配列のセキュリティーキーボードに強制変更されることなど、ColorOSを使う上での作法を知っておかないと困惑するポイントはいくつかあります。以下の記事もご参考までに。

OPPOの機種で「ホームアプリを変えても標準に戻ってしまう」場合の対処法

Find Xなどで「OPPOセキュリティキーボード」を無効にする方法

開発者オプションを有効にしたまま使うようにはなっていない、という話と関連しているのですが、要望としては画面の表示サイズの設定を通常の設定メニューに入れて欲しいなと思いました。フォントサイズの設定は表にあるのですが、UI全体の表示サイズの設定が開発者オプションにしかないので実質使えず、Twitterの公式アプリのような大画面端末でのスペースの使い方が上手くないアプリではせっかくの6.4インチディスプレイに見合った情報量を表示できなくなってしまうのが非常にもったいないです。


ややネガティブな話が続きましたが、独自性の高いソフトウェアならではの便利な機能というのもやはりあり、特にゲーム周りの機能は重宝しています。「フルスクリーンマルチタスク」という機能で全画面表示のゲームアプリや動画アプリを起動していてもメッセージの返信などが小窓で出来たり、ゲーム中にバックグラウンドの処理や通信を最適化したり、通知による邪魔を防ぐような機能が揃っているのです。高性能なFind Xで心ゆくまでゲームを楽しむには相性の良い機能ではないでしょうか。


冒頭でも少し触れましたが、Find Xの顔認証はインカメラを使った単純な画像認証ではなく、ドットプロジェクターと赤外線カメラを使ってユーザーの顔を3Dで認識します。もっと分かりやすく言えば、iPhone X以降のiPhoneシリーズで使われているものと同じ、高度な仕組みの顔認証です。

通常の顔認証を行っているR11sでも「OPPOの顔認証はけっこう速いな」と感じていたのですが、Find Xは速度・精度ともにレベルが違いました。顔認証のためのセンサー類はフロントカメラなどとともに収納されているのでロック解除の際はニョキっとカメラが出てくるのを待つことになるものの、その時間を含めてもストレスを感じない速さです。

そして、この方式の利点として暗い場所でも顔認証が問題なくできます。電気を消した寝室などでも問題なく顔認証ができたことには驚き。最初は、「Find Xには指紋センサーがないから、顔認証に失敗したら一々パスコードを打たないといけないよな……」とやや面倒なのではないかと思っていましたが、1週間以上使ってみて顔認証ができなかった場面というのは、あまり端末の方にしっかりと顔を向けていなかった時を除けばほぼありませんでした。

カメラ


Find Xではそのほかの機能の印象が強すぎるからか、殊更にカメラ性能にクローズアップされることは少ない印象ですが、やはり“カメラフォン”のメーカーのフラッグシップモデルですから、力を入れていないはずはないでしょう。

以下、実際にFind Xで撮影した写真です。大きいサイズで見られるようにしてあるので、必要に応じて画像をクリックしてご覧ください。


風景写真では、色乗りが良く、空の青色がしっかりと鮮やかに出るのが好印象。こういった場面では何も考えずとも見栄えの良い写真を撮ってくれました。


夜景では、やや露出オーバーの傾向。完全にカメラ任せにしてしまうと黒いはずの空が白っぽく写った締まらない写真になってしまいやすいので、オートの状態から軽く明るさを落としてあげるのがおすすめです。


カメラアプリの設定項目は限られていて、基本的にはAIが判定したシーン別のチューニングに従うほかはありません。料理写真などではうまく行かずにパッとしない色合いになってしまう場面も少なからずありました。後から加工するか、フィルター機能に頼るか……ですね。

カメラ機能の総評として、ポテンシャルは高いもののフルオート撮影を前提として作り込まれているので、状況によってはAIの判断次第でイマイチな出来になってしまうのが惜しいところ。風景写真など適切な設定が出やすい場面ではかなりきれいに撮れます。

まとめ


発表会などでも言及されていたようですが、「日本で10万円以上のSIMフリー機は売れない」ということを認識した上で、これだけの最新技術を盛り込んだ超弩級のフラッグシップモデルを、ブランドイメージ向上のためにあえて日本市場に投入してきたというのは非常に大胆だなと思います。一般消費者に向けたラインナップとしてはRシリーズで完結していて、さらにその上、プラスアルファの価値を求める人や最新の機能に興味関心がある人に向けたモデルということになるのでしょう。

スペックの高さは当然として、完成度の高い顔認証やユニークなスライド式カメラ、そして何より「ああ、ノッチって過渡期の妥協の産物なんだな」と思ってしまうような美しいベゼルレスデザインと、デジタルガジェット好きを魅了する夢のある端末です。ややクセのある部分もあり、価格帯としても誰もが選ぶ機種では決してないはずですが、これに惹かれる方は思い切って選んでみても良いのではないでしょうか。

(※本記事では、楽天モバイル「Find X」体験イベントで提供いただいた端末を使用しております)