これ1台で十分かも、と思ってしまう高性能コンデジ「LX100M2」3ヶ月使用レビュー

2019.01.25 カメラ ライター:__agar

最近、ブログではカメラの話をあまりしていなかったので久しぶりに。メイン機としては富士フイルム(Xマウント)のミラーレスを使っている筆者ですが、ここ数ヶ月、一番使用頻度が高くなってしまっている別のカメラを紹介したいと思います。

じっくり使ってからレビューしたかったというよりは、単に作例にしようと思っていた写真の多くをロストしてしまっただけなのですが……。結果的に長期レビューになったということでここは一つ。

「LX100M2」とは?


LX100 II(DC-LX100M2)は、パナソニック「LUMIX」シリーズのコンパクトデジタルカメラの1機種です。同社のラインナップの中では“プレミアムコンパクト”を謳っているLXシリーズに属しており、長らく不在となっていた「LX100」の4年ぶりの後継機種にあたります。他社で言えばSONYのRXシリーズに近い位置付け、いわゆる高級コンデジですね。LXシリーズの中でも大きめの4/3型センサーに、35mm判換算で24-75mm相当の画角となるF1.7-2.8の明るいズームレンズを搭載しています。

2018年10月に発売され、初値は11万円台でしたが、2019年1月の執筆時点では最安値は8万円台中盤のようです。出始めに買った人としては若干思うところはあるものの、前機種もかなり値崩れしていた……というよりLUMIXではよくあることですし、承知の上でどうしてもすぐ欲しかったので買ってしまったというのが本当のところ。


余談ですが、LXシリーズといえば代々、パナソニックがライカにOEM供給するコンパクトデジタルカメラのベース機種にもなっています。LX100M2もその1つで、外装の一部を除いてハード面ではほぼ同等の「D-LUX7」がライカから発売されています。

開封・付属品など


パッケージはいつも通りのLUMIX。ちなみに筆者のこれまでのLUMIX歴としては、直近では1年ほど前にGX7 Mark IIを使っていたほか、過去にGM1などを使っていました。


カメラ本体のほかには、バッテリー、micro USBケーブル、ACアダプタ、ストラップ、説明書などが同梱されています。バッテリーチャージャーは使わずUSB充電で済ませる前提のセット内容ですね。

他社のカメラなどを見ると、上位寄りの機種なのでそろそろUSB端子はType-Cを採用しても良かったのかなとは思いますが、LUMIXは他機種もまだまだ導入が進んでいないので、ユーザー層としてあり得る「メインはミラーレスのLUMIX Gシリーズ、サブにLX100M2」というようなケースを考えるとまだ時期尚早なのかもしれません。


バッテリーパックは前機種と同じく「DMW-BLG10」を採用しています。LX100からの買い替えはもちろん、GX7系列を使っている方などは予備バッテリーが共有できるので運用しやすいでしょう。

外観


4年越しのアップデートですが外観はほぼ変わらず。グリップやズームレバー周辺の形状がわずかに変更されたほか、ロゴ類が変わっている程度です。前機種から流用できるアクセサリーも多いのではないでしょうか。

サイズ的にはコンパクトデジタルカメラとしてはやや大きい部類で、レンズ部分も含めてミラーレスのGX7系列に近い大きさです。もっとも、そのGX7系列もミラーレスとしてはかなり小柄と言いますか、昨今のミラーレスではかえって珍しくなってしまった“コンパクトで手軽なミラーレス”像に合致する機種なので、初代LX100が出た4年前と比べるとサブ機としてLX100M2を持とうと思った時に「大きいな」と感じる人は少なくなっているのではないかな?というのが筆者の印象です。


背面もボタン配置は変わりませんが、ディスプレイの解像度が92万ドットから124万ドットにアップ。タッチ操作にも対応しました。欲を言えばチルト機構は欲しかったですね。


ダイヤル配置もLX100と同じです。モードダイヤルがなくシャッタースピードダイヤルと露出補正ダイヤルを上部に持ってくるこの配置は、フジユーザー的にはとてもしっくり来るので好きですが、LXシリーズに限らず他のLUMIXでは見かけないやや異端な仕様。先述のライカへのOEM供給のこともありますし、向こうの意向でもあるのでしょうかね?

作例

冒頭でも触れた通り、残念な出来事があったのでそう潤沢に作例はないのですが、実際にLX100M2で撮影した写真をいくつかお見せしたいと思います。

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まずは画角のイメージを掴んでいただくため、同地点から広角端と望遠端で撮影した2枚から。24-75mm相当なので、一眼レフやミラーレスの標準ズームレンズぐらいの範囲はカバーできます。

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コンパクトデジタルカメラの中では大型センサーですが、そうは言っても4/3型。正確に言えば、後述の特殊な仕組みのために実効範囲は他の4/3型センサーの機種よりも狭いです。レンズの明るさを活かしてボケを出すこともできる一方、被写界深度を稼ぎたい時にも不自由しません。

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接写も広角端で3cm、望遠端で30cmと十分に寄れますし、大抵のシーンではなんとかなる安心感があります。

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ズーム全域で明るいレンズなので、夕暮れ時でもこんな表現が楽しめるのは素直に楽しいですね。毎日何の苦もなく持ち歩ける小さなカメラとしては大満足です。

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また、機能面でも現行のLUMIXシリーズ各機種と同等にアップデートされているので、Lから始まる何か(というかこの機種に関しては隠す意味がないのでは……)をイメージしたモノクロ撮影機能「L.モノクローム」や「L.モノクロームD」が使えるようになったのも楽しいですね。

使用感


100%趣味で使うコンデジであれば、おそらくメイン機と同じ富士フイルムの「X100F」を買っていたと思います。しかし、実用も考えたサブ機としてズームレンズの高級コンデジを求めていて、そこは富士フイルムには不在のポジションなのですよね。なら他社で……と考えた時に、LX100M2を思い浮かべた一番の理由は操作性でした。

筆者がフジユーザーだからというのを抜きにしても、「モード」という概念を意識せずに、絞り、シャッタースピード、ISO感度の3要素を、必要な時に必要なものだけすぐに操れるLX100/LX100M2のような操作体系はなかなか良いものですし、もっと広まってもいいのになと思っています。

ただ、この操作体系はある程度カメラの基本操作が分かっていて初めて快適に感じられるものです。そこは抜かりなく、ワンタッチでオート(iAモード)に切り替えられるボタンが用意されているのも気が利いていますね。自分で撮影する時には使いませんが、誰かにカメラを渡して撮ってもらう時にはさり気なくこのボタンを押してから渡せば「シャッター押すだけでいいよ」で済むのは便利です。



(以前使っていたGX7MK2)

筆者は撮影した写真をWeb上で使うことがほとんどですが、他の機材はスマートフォンを除けばみんな3:2での撮影なので、撮影後のことを考えると「パナソニックのカメラは好きだけど、4:3は好きじゃないんだよなあ」というのがマイクロフォーサーズ機を使うといつも思うことでした。諸々の都合を抜きにして趣味で撮る時のことだけを考えても、そもそも3:2での画角に目や感覚が慣れているので今ひとつ満足に使い切れないというのもあります。

しかし、LX100M2はセンサーこそ確かに4/3型ですが、マルチアスペクトという変わった仕組みが用意されているのがありがたいところ。マイクロフォーサーズ機でも、もちろんアスペクト比を3:2に設定することはできますが、それは単に上下をカットするだけなので画角が変わってしまいます。LX100M2の場合はレンズのイメージサークルを小さめにしてセンサーを使う面積に余裕を持たせることで、4:3でも3:2でも16:9でも同等の画角が得られるようになっているのです。

4:3で使っても3:2で使っても損をしない、こんなカメラはなかなか無いでしょう。嫌な言い方をすれば、原理的には“どっちで使っても損をしている”というのが正しいかもしれませんが……。実効範囲は1型センサーよりも広く(通常の使い方の)4/3型センサーよりは狭い程度なので、それでもやはりライバル機種よりセンサーサイズが大きめなことには変わりありません。



LX100M2のレンズユニットは良くも悪くも4年前のLX100のままです。画質面では嬉しいですが、沈胴式である以上仕方ないとはいえ“ホコリ混入問題”を多々見聞きしたLX100の弱点がそのまま持ち越されてしまうのはやや心配なところ。ちなみに、自動開閉キャップ(レンズの伸縮で押されてフタが開閉する)はそのまま使えます。


ちなみに、電動で伸縮するレンズに関連した小技をひとつ。撮った写真を確認するためだけに電源を入れるような時、いちいち電動でニューンと伸びるのは邪魔、うるさい、ホコリが入ると嫌だから無駄に出さないで欲しいなどと思ったことはないでしょうか。

LX100M2では、電源OFFの状態から「再生ボタンを押しながら電源レバーをONに→再生ボタンを離す」と操作すると、レンズを出さずに直接プレビュー画面で起動できます。友人のLX100で試した際は出来なかったのでおそらくLX100M2の密かな新機能かと。キヤノンのPowerShotシリーズなどはこういったプレビュー画面を直接起動する機能が昔から用意されていますね。細かい部分ですが、実際に使うとけっこう助かる機能です。

まとめ

LX100は良機種でしたが商業的にはあまりヒットとは行かなかったのか、末期には半額近くまで値崩れし、発売から4年近く後継機が出ていない状況でした。まずはLX100M2が投入されたこと自体に感謝したいところです。

いわゆる標準ズームレンズ相当の焦点距離をカバーしながら明るいレンズに、やや変則的な使い方をしているとはいえ同社ミラーレス機で実績のあるセンサーと、画質面では高級コンデジの中でも優秀な部類。これだけの物がこのサイズと軽さで持ち歩けてしまうと、気が付けばメイン機そっちのけで使ってしまいかねません。

一眼レフやミラーレスのサブ機としてももちろんおすすめですが、エントリー層にも「ミラーレスを買ったけれど最初に付いてきたレンズしか使っていない」というありがちなルートを辿るよりは、同程度の値段で割り切ってこちらを選んだ方がよく撮れて楽しめるかも?という気がします。