「iPhone XR」レビュー。重さやデザインを許容できるなら、それなりに見所はある機種

2019.02.11 モバイル ライター:__agar

先週末、そこそこ良い条件で入手できたのでau版の「iPhone XR」を手にしました。あまり興味はなかった……というより正価ではとても買う気になれなかった機種だったのですが、「2018年モデルのiPhoneはまだじっくり触れていないし、良い機会だからしばらく使ってみるか」ということに。1週間使ってみて、感じたことをまとめておきたいと思います。

パッケージ・付属品


豊富なカラーバリエーションはXRの魅力。どうせならXRらしいポップな色を選んでおこうということで、ブルーを選びました。パッケージ側面のりんごマークやiPhoneロゴも本体に合わせた色になっていますね。


付属品は前年と変わらず……と言いたいところなのですが、Lightning端子と3.5mmイヤホンジャックの変換アダプタは付属しません。純正品でも1,080円(税込)とそう高いものではありませんが、手持ちのイヤホンを使いたい人は別途買う必要があります。

余談ですが、Apple製品ではお決まりの付属品「ステッカー」も、最近のMacBookなどでは本体色に合わせたものが付属しています。iPhoneでは従来通り、白だけのようですね。

外観


まずは前面から。いきなり否定から入るのも良くないですが、個人的にはXRのデザインで一番気に入らない部分です。

本来、画面の一部に切り欠きを設けてインカメラやセンサー類を逃がすいわゆる“ノッチ”というものは、狭額縁化を突き詰める中での妥協の産物であったはずです。しかし、「iPhone X」のそれは良くも悪くも大きな衝撃を与え(※1)、中華メーカーを中心に、本来の意味とは逆に「ベゼルレスと言えるほどでなくても、とりあえずノッチを付けるのが最先端」と言わんばかりの妙なデザインの機種が数多く世に送り出されたのは記憶に新しいです。

※1……正確にはiPhone Xが最初のノッチ付きの機種ではありませんが、認知度と市場に与えた影響の大きさという意味で。


そこで改めてXRを見てみると、決してベゼルは狭くはない、むしろ左右方向に限って言えば8以前よりも太いぐらいです。こうなってくるとノッチ付きの画面形状にも「上位機種の形に似せた」以上の意味は見出せなくなってきます。

不幸なことに、Apple自身が定めたルールによって店頭ではほぼ必ずXSやXS Maxと並んで展示されるわけで、どうしても「ああ、廉価版か」という印象を抱かせてしまう、そして、その「廉価版か……」という感情を抱いたまま妥協して買うには高すぎるというのがこの機種の悲運ではないでしょうか。


ただ、XRのデザインも悪いところばかりではありません。(PRODUCT)RED、イエロー、ホワイト、コーラル、ブラック、ブルーという5色のカラーバリエーションは素敵です。カラーによっては(特にイエロー)、背面のガラスパネルと側面のアルミフレームの色合いがちぐはぐに見えるのは惜しいですが……。


右側面には電源・スリープやApple Payの起動といった役割を兼ねるサイドボタン。


左側面には音量ボタンとサイレントスイッチ。


上部には何もありません。


下部にはスピーカーとマイク、Lightning端子があります。

アルミフレームは素材の質感を活かしたおとなしい仕上げで、8以前のそれに近い印象。筆者の見解ですが、XやXSの光沢感の強いギラギラとした仕上げは好き嫌いが分かれると思っていて、「高級感がある」と思う人もいる一方で、品がない、派手すぎるといった印象から真逆の結論に至る人も少なくないのではないでしょうか。フレームだけ見れば無難なXRの仕上げの方が好きという人も少なからずいるはず。

6.1インチで幅75.7mm、重さ198gというサイズは気になりますが、おしゃれに装飾されたケースや手帳型ケースを着ける人、あるいは両手で操作することがほとんどという人ならあまり気にならないのかもしれません。

動作・UIなどの使用感


外観からは「廉価版」オーラが漂う一方で、中身は立派です。表向きには非公表となっているメモリ容量こそXSと差がありますが、SoCは同じ最新の「A12 Bionic」です。それでいて画面解像度はXRの方が低いということを考えると、動作の快適さにも納得が行きます。

電池持ちも良好ですし、旧機種からの買い替えで上位機種にしかないカメラ周りの機能に必要性を感じないのであれば、XRを買っておけば十二分に最新モデルらしい進化を感じられて満足できるのではないでしょうか。


一方で、OS側の話になりますがUIの進歩のなさにはがっかり。フルタッチ操作に移行したてのiPhone X/iOS 11の段階ではある程度仕方ないと思えた部分も、2年目でそのままとなると「彼らはこれで良いと思っていたのか……?」といらだちが募ります。


アプリ購入時の顔認証にはなぜかサイドボタンをダブルクリックさせてみたり、通知センターやコントロールセンターの開閉はノッチの左右に割り当てられているので持ち手によって操作性が変わったり、せっかくFace IDの認証そのものは速いのに、ロックを解除するにはわざわざ画面の一番下まで指を伸ばしてスワイプする必要があったり、(Twitterアプリのタブ移動など)ホームインジケータと干渉して操作しにくい場面があったり……。

画面設計そのものが分かりにくいということ以上に、5.8/6.1/6.5インチの大画面の機種で使わせるということを本当に考えているのか?と思う部分が多々あり、お世辞にもスマートなUIとは思えませんでした。

カメラ


iPhone XRの良い部分の話に戻りましょう。「シングルカメラだから」と侮るなかれ、上位機種が注目されがちですがXRのカメラも間違いなく一級品です。

仕様をおさらいしておくと、約1,200万画素のイメージセンサーにF1.8のレンズ、シングルカメラですがソフトウェア処理によるポートレートモードも備えています。

以下、実際にiPhone XRで撮影した写真です。大きいサイズで見られるようにしてあるので、必要に応じて画像をクリックしてご覧ください。

まとめ


色々と不満も書きましたが、動作が良く、電池持ちが良く、カメラも良い。大半のユーザーによって、これ以上何を望むことがあるでしょうか。適切な見せ方ができていればもっと人気が出ていてもおかしくない機種といいますか、MNPや旧機種の下取りなどで納得の行く価格で購入できるのであれば選ぶ価値は大いにあると思います。

やはり、発売前を含めて「廉価版iPhone」という印象が先行しすぎてしまったこと、実際にそう思わざるを得ないデザインなど諸々の条件が悪い方へ噛み合ってしまい(Apple自身からは廉価版という言葉は発せられていないんですよね……)、正価ではこれまでのiPhoneとそう変わらない値段にも関わらず、XSと並ぶと安物感が拭えない……というがっかり感が生まれてしまったのではないでしょうか。

大きさ、重さ、デザインなどのややマイナスな面を許容できるなら、「買ってみたら意外とこっちで良かった!」ということは十分あり得る良い機種だと思います。